モジゴケ属の中では，本種は以下の形質で特徴づけられる：　子器は，よく分枝し，果托は基部のみを覆い，子器盤が多少とも開く；（横断切片）ラビアは基部まで黒化し，基部では対となるラビア間は明らかに離れる；子嚢層に油滴を欠く；子嚢胞子は１子嚢中に１個のみ生じ，石垣状多室で長さ50µm以上；地衣体はノルスチクチン酸を欠き，K−（赤くならない）．

【外部形態】 地衣体は灰白色～灰緑色，連続し，平滑，光沢を欠く．子器（リレラ）は良く分枝し，わずかに突出し，基部のみ果托で覆われる．ラビアは多少とも開き，子器盤を裸出することが多い．

【内部形態】（子器横切片）子器壁は基部まで黒化し，基部では，対となるラビアは明らかに離れる．子嚢層は油滴を欠く．子嚢胞子は１子嚢中に1個のみ生じ，石垣状多室（細胞はレンズ状ではない），50-60 × 20 µm（文献１）．

【生態】林内から林縁の樹皮に着生．

【分布】山地帯．本州（山梨県）（文献１）