モジゴケ属の中では，本種は以下の形質で特徴づけられる：　子器は多少とも突出し（顕著ではない），単一か，多少とも分枝する；（横断切片）ラビアは基部まで黒化し，対となるラビア間は離れる；子嚢層に油滴を欠く；地衣体はノルスチクチン酸を含み，K＋赤色．

【外部形態】 地衣体は灰白色，連続し，平滑，光沢はない．子器（リレラ）は，地衣体上からわずかに突出し，基部は果托で覆われ，単一か多少とも分枝する．わずかに子器盤は見える．

【内部形態】（子器横切片）子器壁は基部まで黒化し，対となるラビアは明らかに離れる．子嚢層は油滴を欠く．子嚢胞子は平行多室，細胞はレンズ状で6～8室，21-30 × 7 µm（文献１）．

【生態】林内から林縁の樹皮に着生．

【分布】暖温帯に広く分布する．千葉県においては，都市の近郊で最も普通に見られるモジゴケ属である．本州（関東以西）～九州（文献１）