本コンテンツのベースとなった地衣類調査と写真撮影について

●千葉県立中央博物館(以下,当館と呼びます)職員の原田浩(写真)は大学の学部時代の1981年から1982年にかけて卒業研究として地衣類を調査したのが剣山との出会いでした.そのとき,見ノ越から登山リフトに乗ると,両側に林立するブナの大木の,幹の上部や太い枝から垂れ下がる,1m以上はあろうかというヨコワサルオガセが次から次へと通り過ぎてゆくという,見たこともないような風景が出迎えてくれ,心が躍りました.今や,そこではヨコワサルオガセを全く見ることはできませんが,まだまだ,剣山は西日本随一の地衣類の多様性を誇る山と言ってよいでしょう.また,登山が容易な山でもあることから,地衣類の観察に適した場所でもあります.そこで2022年には,「日本の地衣類(ウェブ図鑑)」を充実させるため,剣山で調査を実施しました.その時撮影した生態写真(坂田の撮影したものを含む)と,採集した標本の拡大写真等(館内で撮影)を用いて,本コンテンツを制作しました.

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●当館職員の坂田歩美(写真)は,2022年の調査に参加し,原田とともに生態写真を撮影し標本を採集しました.さらに博物館では,共同研究メンバーである明治薬科大学の木下薫氏が実施するLC/MS(エルシーマス)による化学分析に供する試料を準備するとともに,その予備実験として薄層クロマトグラフィーによる化学成分の分析を行いました.更に,明治薬科大学から返送される,抽出済みの試料からDNAの抽出等を行い,もう一人の共同研究メンバーである秋田県立大学の原光二郎氏が実施する次世代シーケンサーによるDNA解析に提供するなどしました.

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●千葉県立中央博物館の調査研究事業,「地衣類の多様性に関する研究」(研究代表者:原田浩)の一部として実施しました.

●本コンテンツの整備にあたり,科研費基盤研究(C)(課題番号21K01006)「日本産地衣類の総合的なデータベースの整備とウェブ公開」(2021~2023年度.研究代表者:原田浩)の補助を受けました.

本コンテンツで使用した写真について
●画像処理.地衣類を同定するうえで,微妙な色彩はとても重要な情報です.この目的にあうよう色彩を再現するために,多くの写真はフォトショップ(Photoshop®Adobe)による画像処理を施しました.たとえば森林内で撮影した写真は,緑色から青色が強く表現されるため,これを補正する処理により,図鑑向きになります.また実体顕微鏡下の拡大写真は,照明の影響により自然な色合いを再現できないため,多くの場合は画像処理を施します.
●撮影者.職員以外により撮影された写真については,図鑑のページに撮影者名を示してあります.職員による写真については,写真中に以下のようにアルファベットで示してあります.HH(原田浩),SA(坂田歩美)
 
本コンテンツの著作権について

本コンテンツは,千葉県立中央博物館のホームページと同様に,以下(1)のとおり著作権法の保護の対象となっています.転載をする場合は,千葉県立中央博物館のホームページに記載があるよう(2),お申し込みください.

●(1)「千葉県立中央博物館(以下、中央博物館)のホームページに含まれている文章、写真、イラストなどは、著作権の対象となっています。また、中央博物館のホームページ全体も編集著作物として著作権の対象となっており、ともに著作権法により保護されています。
私的使用のための複製や引用など著作権法上認められた場合を除き、無断で複製・転用することはできません。」

●(2)デジタルミュージアムからの転載

「デジタルミュージアムに掲載されている写真を転載する場合、利用申込をしていただく必要があります。写真によっては、著作権者の同意が必要な場合があります。デジタルミュージアムを含む当館のページへのリンクは、どなたでも自由に行っていただけますので、インターネットへの掲載の場合はリンクをご検討ください。

なお、デジタルミュージアムには千葉の県立博物館全館のコンテンツが掲載されていますが、中央博物館以外のコンテンツに掲載された写真をご利用になりたい場合は、コンテンツを作成した博物館にご連絡ください。」

 
本コンテンツの制作と更新について

●2022.11,公開.図鑑は65種掲載.担当:原田浩(主担当)・坂田歩美

●2023.3,更新.図鑑は85種掲載.約1000件の主にマクロ写真(実体顕微鏡下の拡大写真を含む)を追加.担当:原田浩(主担当)・坂田歩美