第4章 三番瀬で遊ぼう−潮干狩り−



 今、外で遊ぶとすれば何をしますか? 本来、「遊び」は遊ぶ本人が自分で決めるものです。しかし、私たちは皆さんに、三番瀬を実感して欲しいのです。そのために三番瀬に行って、そこで何かして欲しい・・・潮干狩りをやってみませんか。
私が子どもだったころ(愛媛県の宇和島市生まれ)、潮干狩りに海に行き、山にはワラビ採りに行きました。今思えば、食べられるものを採るということが重要で、楽しかったと思います。
 海で遊ぶ時に一番大事なことはなんでしょうか?安全確保が第一です。自然を侮ってはいけません。これは自己責任です。荒天時や高潮などの気象には十分注意してください。また、海辺は日射をさえぎるものがありません。紫外線対策や、熱中症には十分配慮してください。

潮汐を調べる

 潮干狩りに行ったら干潟が水中に没していたことのないように、計画をたてるときに干潮の時間を調べます。海はおおよそ1日に2回の海面が上がったり下がったりします。これは、月と太陽の引力、それと地球の自転の力によっておこるものです。大潮とは、潮の干満の差が大きな状態で,新月(月が太陽と同じ方向にあるときで夜を通して月は見えない)や満月の前後数日間(旧暦の1日または15日頃)です。春になると、海水の水温が上がり餌となるプランクトンが増えてアサリが美味しくなる時期から、潮干狩りに最適の季節は春の大潮の時期です。
 満潮や干潮の時刻は、海面が上げから下げ、または下げから上げに変わる瞬間の時刻です。予報の誤差や気象により10分程度の前後があると考えておきましょう。

調べ方

新聞 新聞の地方欄に当日の干潮・満潮の時間が書かれています。

HP 「潮汐」という言葉で検索してみましょう。
http://www2q.biglobe.ne.jp/~ooue_h-h/i/tide/kanto_s.html
で船橋港の潮汐がわかります。

http://www.park-funabashi.or.jp/bay/index.htm
でふなばし三番瀬海浜公園での潮干狩りに適した日時がわかります。

潮干狩りに行こう

(1)潮干狩りの準備

ア)服装
     長袖、長ズボン、帽子、長靴、上着(海辺の風は意外に冷たいので1枚余分に用意しましょう)、着替え(お尻をぬらすことがあります)。貴重品を入れるリュック等。
イ)持ち物
     熊手、網袋、タオル、バケツ、ビニール袋などの持ち帰り容器、弁当、飲み物、日焼け止め、救急セットなど、必要と思えるもの
ウ)ふなばし三番瀬海浜公園の潮干狩り場
     潮干狩りの開催日は決まっています。それ以外の日は入れないので注意。必ずHPまたは電話で確認してから行きましょう。
    料金:大人(中学生以上)420円、子供(4才以上)210円。採貝料金、200gにつき120円。

ふなばし三番瀬海浜公園のHP
http://www.park-funabashi.or.jp/bay/index.htm
TEL.047−435−0826 船橋市公園協会

(2)たくさんのアサリを採るコツ

ア)アサリのいるところに行く
  • 小さなアサリは岸よりに、大きなアサリは沖合いに多いようです。まず、水がひいたところまで行きます。そこで探り掘りをします。いれば、横(岸に対して並行)に動きます。アサリがいなければ、縦(岸に向かって)に動きます。
  • 人が掘った場所以外を掘ります。ただ、意外と人が掘り起こした砂の中を探すとアサリが見つかったりするときもあるので、簡単ではありません。
  • “アサリの目”を探します。干潟の表面には、いろいろな形をした小さな穴がたくさんあいています。カニの穴でもない、ゴカイの穴でもない、アサリの穴を見つけます。アサリは地表がエクボのようになっている場所を探して掘ります。
  • 周辺と比べ地表がジクジクしている場所を探します。
  • 貝殻が多く立っている場所を探します。
  • アサリがはって移動した跡を見つけます。ただし波の跡とまちがえやすい。
  • アサリ採りの通(アサリをたくさん採っている人)の行動をよく観察して、真似をしましょう。
イ)アサリの掘り方
    クマデを使います。クマデはひっかくのではなく、土を掘り返すように使い、掘り返した土の中を探します。深さは、10p程度。

(3)採ったら、食べよう

ア)砂抜き
    採ったアサリはちゃんと食べましょう。食べないのなら、海に戻してあげましょう。おいしく食べるためには、砂抜きが必要です。砂を抜いた後で殻の汚れを取ってください。

  • アサリを採った所の海水を持ち帰り、2時間ほど浸す。
  • 海水がない場合は、海水よりやや濃い塩水と夏の水温程度のぬるま湯(25℃〜28℃)をたっぷり使います。時間オーバーで酸欠にしないよう注意して下さい。
    • 3.5%の海水で4時間 4%の海水で2時間が基準です。
    • 塩分濃度が薄かったり、水温が低いと砂を出しません。
イ)アサリを使った料理
    味噌汁(定番です)・酒蒸し・スパゲティ・深川飯・ひじきとかきんぴらごぼうに入れる・その他創作料理に挑戦。

せっかく海にきたのですから

 潮干狩りの手を休めて、ちょっとまわりを見てみましょう。ひろい空間を味わうこともできます。また、アサリだけでなく、カニやゴカイなど、他の生き物にも目を向けてみましょう。潮の香りや、潮騒の音に心を向けてみましょう。
 自ら食糧を採取したり、生産して暮らす自給自足の時代がありました。今の日本では、たとえ農業に従事していても専門に分化して自給自足の生活をしている人はいないのではないでしょうか。生活に必要なものはすべて買うものだと考えていませんか。人が生きていくために必要な労働は何でしょうか。

(小川かほる)


みんなで考えよう。
  • ふなばし三番瀬海浜公園の潮干狩り場は有料です。結果としてアサリを購入したことになります。有料の理由を考えてみましょう。