きのこ小話 幻覚きのこ民族学
  マヤ・アステカの幻覚きのこ
ベニテングタケ(左)
ヒカゲシビレタケ(右)
 世界に幻覚きのこ利用地域が3地点知られています.
第1にベニテングタケを利用するシベリアとギリヤーク,
第2に幻覚性イグチ類を利用するニューギニア,
第3にシビレタケ属きのこを利用したマヤ・アステカ文明が栄えたメキシコ中部地域です.
特にシビレタケ属きのこに含まれるシロシビンという物質は,インドール核を含み,強力な催幻覚作用があります.マヤ・アステカ文明では,幻覚物質メスカリンを含むサボテン科植物ペヨーテとともに,テオナナカトル(神の肉)とよばれるきのこを利用していました.
 テオナナカトルは数種のシビレタケ属きのこの総称で,催幻覚性の毒成分シロシビンを含むことが知られています.
 アステカ文明を滅ぼした侵略者コルテスとともに従軍した僧によって,これらの植物やきのこの使用が詳しく記述され,アステカ人が祭祀や戦いの時などに,この幻覚物質によって昂揚感や陶酔感を得ていたことが今に伝えられています.
 

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