宿原の田んぼでクロヌリ(田に入れた水が流れ出ないように、田の畦に土を塗る作業)をしているおばあさんに会いました。現在では機械でクロヌリをする事が多いのですが、鍬をつかって丁寧にクロを塗っていました。 おばあさんの服装をよくみると、かっぽう着の上に前掛けをしめています。前掛けは、女性の農作業用の衣類には欠かせないものでしたが、今では前掛けをしめている方は少なくなりました。 前の汚れを防ぐことができるので、前掛けをしているとの事ですが、クロヌリは泥がはね返ったり、どうしても衣類がよごれてしまう作業です。よく見せていただきましたが、前掛けだけが泥で汚れていて、かっぽう着はきれいなままでした。 残り布で作った小さな前掛けですが、そこには生活の知恵が詰まっているのですね。