1/6に採集して観察していたヒラタアブ類の蛹に異変が起きた。蛹を入れたプラスティック容器の中をたくさんの小さな虫が飛び回っている（写真１）。体長２ミリほどの黒く小さな虫だが、ヒラタアブ類でないことは確かだ。
　活発に飛び回るのでふたを開けるわけにもいかず、苦労して撮影した。どうにか撮れた写真を拡大してみて、この虫がハチの一種であることがわかった（写真２）。ヒラタアブ類の蛹をよく見ると、５個中２つの蛹にハチが脱出したと思われる穴があいていた（写真３）。ハチは約３０頭いたので、蛹１個あたり１５匹程度のハチが羽化したものと推定される。
　このハチはヒラタアブ類に寄生するヒラタアブトビコバチではないかと思われるが、まだ確証はない。
　（尾崎煙雄）

　ヒラタアブ類　Syrphinae sp.（ハナアブ科）

　ヒラタアブトビコバチ　Syrphophagus nigrocyaneus（トビコバチ科）