No.1614 2018/6/14(木)

 マルミノヤマゴボウとナチシダ


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 清澄山にて。若い果実を実らせたマルミノヤマゴボウを見つけた(写真1)。花は5月頃に咲く。近縁で外来のヨウシュヤマゴボウは「雑草」としてよく見かけるが、マルミノヤマゴボウは関東を北限とする南方系の植物で、房総丘陵では数が少ない。
 マルミノヤマゴボウと隣り合って大きなシダが生えている(写真2)。こちらはナチシダという。差し渡し1メートルほどもある葉は大きく5つに分岐していて、五角形に見える。
 紀伊半島の「那智(なち)」に因んで名付けられたナチシダも南方系の植物で、房総丘陵はその北限だ。近年、清澄山系では両種が増えているような印象がある。気候変化のためか、はたまた個体数を増したシカ等の草食獣の嗜好性(しこうせい)の影響なのか、理由は判然とはしない。いずれも暖地の植物が隣り合って「寄せ植え」のように生育している様子(写真3)に出会って、しばしその意味を考えた。

 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 マルミノヤマゴボウ Phytolacca japonica(ヤマゴボウ科)

 ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana(ヤマゴボウ科)

 ナチシダ Pteris wallichiana(イノモトソウ科)

 


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