教室博日記 No.1787

 2020/03/25(水)

 ヤナギイチゴ

 清澄山系にて。1月に葉を茂らせていたヤナギイチゴ(写真1)。その後も観察を続けた。

1月に葉をつけていたヤナギイチゴ
  • 写真1 2020/01/09撮影

 2月3日の節分にも変わらず葉をつけていた(写真2)。

2月に葉をつけていたヤナギイチゴ
  • 写真2 2020/02/03撮影

 そして春分も過ぎた3月25日にも、数は減ったものの葉をつけていた(写真3)。

3月になっても葉をつけていたヤナギイチゴ
  • 写真3 2020/03/25撮影

 そして、冬を越した葉の付け根近くにある冬芽が開いて新しい葉が展開し始めていた(写真4)。つまりこの冬、ヤナギイチゴは完全に落葉することなく次の生育期を迎えたことになる。

古い葉の付け根付近から展開し始めた新しい葉
  • 写真4 2020/03/25撮影

 図鑑などには「落葉低木」と書かれていることが多いが、ヤナギイチゴは気候によっては冬でも落葉しないことがある。このような植物を「半常緑植物」という。ヤナギイチゴは南西日本の植物で、房総半島はほぼ分布北限なのだが、暖冬の今年、ヤナギイチゴは「半常緑」であった。

  • ヤナギイチゴ Debregeasia orientalis(イラクサ科)

(尾崎煙雄)