2020/04/11(土)
ヒメヤママユ幼虫
三島小にて。校舎の壁にからみつくミツバアケビの葉に毛虫がいた(写真1)。これはクワゴマダラヒトリの幼虫だ。昨春も多数の幼虫を見かけたが、今年も多い。

- 写真1
ここにも、と思い別の葉をめくったところ、少し様子の違う毛虫が隠れていた(写真2)。体長3センチほど。

- 写真2
「この毛虫は何だっけ」と記憶をたどるのだが、なかなか思い出せない。のどに刺さった棘のようにもどかしく感じていたが、2日後に突然思い出した。これはヒメヤママユの中齢幼虫だ(写真3)。12年前、この日記にも書いたことがあったのに。
身体の側面は鮮やかな薄緑色で、背面には幅の広い黒帯がある。身体全体はまばらな白い毛に覆われている。黒帯の中には体節ごとに1対のいぼ状突起があり、突起の先には短いが鋭い棘が数本ずつ生えている。特に前方2節のいぼ状突起は鮮やかな赤で、黒帯とのコントラストが印象的だ。

- 写真3
いぼ状突起の先端に生えた棘は鋭く、触ると痛い(写真4)。

- 写真4
ヒメヤママユの幼虫は2齢、3齢の時期にこのような姿をしているが、終齢になるとずいぶん違った様子になる(写真5)。体長は6センチ以上と大型で、背面には歯ブラシのような剛毛が密生し、いぼ状突起も棘もなくなる。

- 写真5 2019/05/31
成虫は夏の終わりから秋に現れる(写真6)。写真は雄の成虫で、翅をひろげた横幅は8センチを超え、大きくて美しいガだ。

- 写真6 2012/11/14撮影
- ミツバアケビ Akebia trifoliata(アケビ科)
- クワゴマダラヒトリ Lemyra imparilis(ヒトリガ科)
- ヒメヤママユ Saturnia jonasii jonasii(ヤママユガ科)
(尾崎煙雄)