教室博日記 No.1918

 2021/02/25(木)

 ヒガシニホントカゲの集団越冬

 君津の山中にて。越冬中の虫を探して崖を崩していると、よく土の中で眠っているトカゲを掘り出してしまう。この日は、崖に貼り付いた土の塊を剥がしたら、土とのすき間で越冬していたトカゲの集団を見つけた(写真1)。

 写真1には尻尾が4本写っている。これらとは別に、土の塊を剥がしたときに一匹下に落ちてしまったので全部で5匹がこのすき間にいたようだ。穴に一匹で寝ている様子はよく見かけるのだが(写真2)、5匹も一緒にいたのには驚いた。

集団で越冬していたトカゲ
  • 写真1 
  • 写真2 穴の中で一匹で越冬しているトカゲ(2021年1月29日撮影)

 トカゲを掘り出してしまうと、眠っているところを露わにしてしまってとても申し訳ない気持ちになる。ちなみに、崖や朽ち木を崩して一番たくさん出てくる生き物はムカデだ(写真3)。実はムカデ類を掘り出してしまっても、申し訳ないとは全く思わないのであるが、これは私の生き物に対する偏見によるもので、よろしくないと思っている。

 なお、千葉に生息するトカゲの正式な和名はヒガシニホントカゲである(教室博日記No.1606を参照)。

  • 写真3 崖を崩して落ちてきたオオムカデの一種(2021年2月12日撮影)
  • ヒガシニホントカゲ Plestiodon finitimus(トカゲ科)
  • オオムカデの一種 Scolopendra sp.(オオムカデ科)

(斉藤明子)