教室博日記 No.1929

 2021/03/18(水)

 センチコガネ

 君津の山中にて。この日は土の中から越冬中のセンチコガネを掘り出した(写真1、2)。

土の中で越冬していたセンチコガネ
  • 写真1
土の中で越冬していたセンチコガネ
  • 写真2

 センチコガネは、教室博日記No.1868で紹介したオオセンチコガネと同様に、新成虫は秋に現れ、そのまま越冬し、翌年の夏から秋頃まで活動する。体長は17〜20ミリでオオセンチコガネより一回り小さく、やや細長い。

 オオセンチコガネは主にシカの糞を食べるため、千葉県ではシカの生息する房総丘陵に限って見られるが、センチコガネの食べものは各種の獣糞の他、腐ったキノコや果物などと幅広いこともあり、県内各所に生息している。

 センチコガネは全体が暗い金緑色または赤銅色の地味な色の個体が多いのだが、この日見つけた2個体はどちらもなかなか良い色合いのものだった。しかも、どちらも前胸と鞘翅の色が異なるツートンカラーだ(写真2、3)。土の中に本種のようなキラッと光る甲虫を見つけると、宝石を掘り出したような心持ちになる。

樹洞の中にあったフクロウの卵
  • 写真3
  • センチコガネ Phelotrupes laevistriatus(センチコガネ科)
  • オオセンチコガネ Phelotrupes auratus(センチコガネ科)

(斉藤明子)