教室博日記 No.1959

 2021/05/04(火)

 ハンミョウ釣り

 木更津の谷津田にて。沢沿いの地面に小さな丸い穴がいくつも開いていた(写真1)。ハンミョウの幼虫の巣穴だ。越冬中のナミハンミョウの幼虫のことを教室博日記No.1915に書いたが、すっかり暖かくなったこの季節には、幼虫は巣穴の入口で大顎を広げて獲物を待っているはずだ。ところが、私の気配に驚いて、すでに幼虫は奥に引っ込んでいて大顎は見えなかった。

  • 写真1 地面に開いたハンミョウの巣穴

 そこで、本で読んだ「ハンミョウ釣り」をやってみることにした。子供の頃、身近にハンミョウは居なかったので「ハンミョウ釣り」はやったことが無かった。そんな遊びがあることを知ったのは大人になってからだが、わざわざ遊んでみる機会もこれまでなかったので、この日、初めて挑戦してみることにした。

 「ハンミョウ釣り」は、巣穴に小枝や草を挿し、中の幼虫が邪魔な物を外に押し出そうと小枝をくわえたところを枝を勢いよく引っぱると幼虫が釣れる、という遊びだ。いくつもある穴に小枝や草を挿してみた(写真2)。

  • 写真2 巣穴に小枝を挿してみた

 しばらくして、いくつかの小枝がわずかに動くようになったので、端から小枝や草を引き抜いた。すると一つだけ、みごとに釣れた(写真3、4)。初めてにしては上出来だ、と自画自賛したのだが、幼虫にとってはひどく迷惑な事件だったに違いない。

カールした毛に覆われているリンゴコブガの幼虫
  • 写真3 釣れたハンミョウの幼虫
カールした毛に覆われているリンゴコブガの幼虫
  • 写真4 釣れたハンミョウの幼虫

 *種類はナミハンミョウかニワハンミョウと思われる。

  • ナミハンミョウ Sophiodela japonica(オサムシ科)
  • ニワハンミョウ Cicindela japana(オサムシ科)

(斉藤明子)