2021/10/07(木)
地蔵堂層の模式地再訪
木更津市内にて。地蔵堂層と呼ばれる約40万年前の地層の模式地を再訪した。前回の訪問時(教室博日記No.1963)よりも地層に生える草木が成長したため、一見すると地層が観察しにくくなっている(写真1)。しかし、10月初めの台風のときに地層の表面が雨水で洗われたためか、前回は見られなかった化石が顔を出した。

- 写真1 草木が生えた地蔵堂層の模式地
地層中に先端が埋まっている細長い巻貝はフデガイだ(写真2)。筆の穂に形が似ていることからその名が付いたらしい。格子状の彫刻が美しい。

- 写真2 巻貝化石(黄色三角がフデガイ、写真の上が地層の上位)
殻底のみ顔を出している巻貝はホンクマサカガイだ(写真3)。先端は地層中に埋まって見えないが、円錐形で殻の表面に小石や貝殻を付ける巻貝だ。

- 写真3 巻貝化石(黄色三角がホンクマサカガイ、写真の上が地層の上位)
同じ場所でも、観察できる化石はその時々で異なる。地層が観察できる場所は、何度訪れても楽しい。
- フデガイ Mitra inquinata(フデガイ科)
- ホンクマサカガイ Xenophora japonica(クマサカガイ科)
(千葉友樹)