フィールドノート No.2203

 2022/11/17(木)

 ウバタマコメツキ

 清澄山系にて。アカマツの立枯れの樹皮をはがすとウバタマコメツキが現れた(写真1)。体長は約3センチ。ちょうど体の収まる大きさの窪みに身を沈めていた。

  • 写真1 アカマツ立枯れ樹皮下にいたウバタマコメツキ

 ウバタマコメツキの幼虫は、比較的新しいアカマツ枯死木の樹皮下に暮らし、他の昆虫などを捕食する。樹皮下の終齢幼虫は晩夏に写真のような蛹室を造り蛹化、1〜2週間程度で羽化してそのまま蛹室内で越冬するという。春になるまで寝ているところを、起こしてしまった。

 フィールドノートNo.2187で報告した同属のオオフタモンウバタマコメツキが、県内では房総丘陵にだけ生息するのに対して、ウバタマコメツキは千葉県に広く分布しているのだが、房総丘陵ではウバタマコメツキの方が珍しいような気がする。

  • ウバタマコメツキ Cryptalaus berus(コメツキムシ科)
  • オオフタモンウバタマコメツキ本土亜種 Cryptalaus larvatus pini(コメツキムシ科)

(斉藤明子)