2-1 千葉大学医学部亥鼻地区サークル会館
(旧千葉大学医学部精神科病棟)
所在地 | 千葉市 |
竣工年 | S2 |
所有者 | 文部省 |
設計者 | 文部省 |
施工者 |
不明 |
構造 | RC2 |
外壁 | モルタル塗り |
屋根形状・葺材 | 陸屋根 |
建築規模 | 674m2 |
現在,部室として使用されている旧精神科病棟は,破損箇所が多く保存状態はあまり良くない。しかしそのデザインには見るべき所が多い。円弧状のアーチが玄関部を特徴づける。更にその上部の2階部分には,半円アーチで構成された開口部が3つ並んで,中央部が強調される。建物の隅部及び壁面には柱型が付けられているが,その頂部にはコリント式のオーダを簡略化したかのような柱頭が施されている。柱頭の装飾はかなり幾何学的であり,この幾何学性は他の部分のデザインにも現れている。玄関上部の帯上部の三角形の組合せ,窓と窓との間の下部の装飾,階段の手摺子,八角形を並べた照明の中心飾り等,細部の豊かな装飾は,明らかにアールデコのものであるといえる。アールデコは1920年代後半から30年代にかけて,欧米で流行したが,その影響は驚くべき速さで我国にも現れたことがわかる。[江口]