2-2 千葉大学医学部本館

(旧付属病院)


所在地 千葉市
竣工年 S11
所有者 文部省
設計者 文部省(柴垣太郎)
施工者 大林組
構造 RC4
外壁 タイル貼り
屋根形状・葺材 陸屋根
建築規模 8192m2

当初,大学の付属病院として建てられたこの建物は,現在医学部本館として,十分にその機能を果たしている。表面に当時多用されたスクラッチタイルを貼った,鉄筋コンクリート構造の巨大な建築物である。鉄筋コンクリート構造は我国でも大正初め頃より徐々に建築に用いられ始めたが,本格的に採用されるようになるのは,関東大震災後のことで,昭和初期に定着し,この建物が建てられる頃にはなくてはならない構造となっていた。当時の建築的状況を代表するものとして,この本館の価値は高い。

しかしそれだけでなく,デザイン的質もかなり高いと言える。玄関車寄せを構成する下部が細まった4本の柱がまず目を引く。また巨大な全体にもかかわらず,繊細な欄間の意匠や,色とりどりの床のモザイク等,随所に細やかな配慮が見られる。そして何と言っても,ステンドグラスのトップライトから光が降り注ぐ上昇感のある吹き抜け空間が特に印象的である。[江口]

医学部本館
同上

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