イッカクのなかまたちとても風変わりな姿をしているイッカクは、北極海にくらすクジラのなかまです。クジラのなかまは、大きくヒゲクジラ類とハクジラ類に分けられます。イッカクはハクジラ類のなかまで、その中でもシロイルカと近縁だと考えられています。 |
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イッカクは一角(いっかく)? |
イッカク(一角)という名前の由来である長い「角」は、実は角ではなく牙なのです。一角には一見歯がないように見えますが、上あごに埋もれている2本の歯があります。オスではそのうち左の1本の歯だけが、左まきにねじれながら伸び続け、長さ2.5mにもなります。まれに、牙のあるメスや、牙が2本あるオスが見られることもあります。 |
![]() イッカク(オス)の全身図 イラスト:渡辺芳美 |
イッカクのひれイッカクには、他の多くのクジラ類に見られる背びれがなく、背中にわずかにふくらみがあるだけです。胸びれは小さく、先端が反り返っています。尾びれは後ろがふくらんで中心の切れこみが深い、イチョウの葉のような独特の形をしています。 |
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3種類のクジラの尾びれ |
イッカクの首哺乳類にはふつう首の骨が7つあります。多くのハクジラのなかまではいくつかの骨がくっついているので、首を自由に動かすことはできません。しかし、イッカクの首の骨は7つに分かれたままになっており、首を動かすことができます。 |
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イッカクの首 7つに分かれています |