生態園のご紹介 | |
生態園観察ノートNo.16「カイツブリ─舟田池の小さながんばりやさん─発行のお知らせ | |
オリエンテーションハウスにタヌキの展示コーナー新設 | |
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森の調査隊ワークショップ報告書 | |
生態園ギャラリーについて |
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「生態園」は生きものの自然の中での暮らしぶり(生態)を展示する野外博物館です.1987〜89 年に整備工事がおこなわれ,房総の代表的な自然が再現されています.園内を散策するあいだに,森や草地,湿原,海岸などさまざまな景観があらわれます.運がよければタヌキやイタチなどに出会うこともできるでしょう.園内には水鳥の生息する池があり,鳥の暮らしぶりも観察できます. 当館研究員による観察会がひんぱんにおこなわれ,園内のみどころをまとめた出版物も各種用意されています.都市の中にあって自然と触れあえる所,それが生態園です. |
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場所:青葉の森公園内,千葉県立中央博物館・本館南.JR千葉駅よりバス15分,京葉道路松ヶ丘 IC より車で5分. 開園時間:午前9時〜午後4時 30 分.入場は午後4時まで.月曜休園.入場無料. 連絡先:Tel : 043-265-3111(博物館代表) |
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生態園は大きく(1)植物群落園,(2)生態実験園・植物分類園,(3)舟田池からなっています.また案内所として(4)オリエンテーションハウス,(5)野鳥観察舎が設けられています. |
(1) 植物群落園 | ||
植物群落園では房総の代表的な森林や草地を再現しており,季節とともに移り変わる自然の姿や動植物の生態が観察できます.植物群落園は,「南総の自然」と「北総の自然」という2つの部分から なっています. 「南総の自然」は,南房総に見られる自然林が再現されています.入口の海岸植生では春から秋にかけて海岸植物が咲きほこります.続いて,うっそうと茂った常緑の照葉樹林(タブノキ林,スダジイ林,アカガシ林)が現れます.その先には,山地性のモミ・ツガ林が見られます.来園された方は,あたかも房総の海岸に上陸後,内陸の丘陵地に分け入っていくような感じで,風景の移り変わりを楽しむことができるでしょう. 「北総の自然」は,北総台地の植生を展示しています.人々は,生活や農業を営むために植生をつくりかえてきました.北総では,建材などに使うアカマツ林,薪炭や堆肥に使うコナラ林(いわゆる雑木林),かやぶきの材料などに使うススキ草地などが順路にそって次々と現れます.せせらぎを経て坂をおりると湿原が見えます.春先にはヤナギ類がいっせいに開花し,秋〜冬にはヒメガマの穂におおわれます. |
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(2) 生態実験園・植物分類園 | ||
生態実験園では,いきものの生態や自然のしくみを明らかにするための野外実験を公開しています.土や水,温度がいきものにあたえる影響や,魚と水質との関係などを調べています.下の写真は,土の種類によって植物の生長がどう変わるかを調べたものです.画面右半分はあらい砂をしきつめ,左半分はこまかい赤土をしきつめて,その後の植物の生えかたを観察しています.同時にはじめたにもかかわらず,土の種類によって植物の生えかたがこれだけちがうことがわかります. | ||
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植物分類園では,ブナ科,クスノキ科の植物を全国から集め,ご紹介しています.ブナ科,クスノキ科は千葉県の森林をつくる代表的なグループで,スダジイ,コナラ,クリなど(以上ブナ科),タブノキ,シロダモ,クロモジなど(以上クスノキ科)が集められています. 植物分類園と生態実験園に入場できるのは,午後1時から4時までです.なお,入場の際には野鳥観察舎で入園パスポートを受け取ってください.パスポートには生態実験園,植物分類園のさらに詳しい説明があります. |
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(3) 舟田池 | |||
広さ1ヘクタール ほどの V 字型の池で,江戸時代より前からあるため池を整備したものです.一時は水質汚濁がかなり進行していましたが,ヘドロをとりのぞいたり水をいれかえたりすることで,生きものの姿がもどってきました.現在は野鳥などの生息地となり,シベリアから渡ってくるコガモやマガモなどの貴重な越冬地点となっています(写真左).周辺には在来の雑木林がそのまま保存され(保存林),いろいろな野鳥がやってきます.舟田池にはトンボ等の水生昆虫や,さまざまなプランクトンも生息しています(写真右).なお右の写真は,クンショウモという藻類の一種です(大きさ約 0.1mm). | |||
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(4) オリエンテーションハウス | |||
生態園の正門脇にある案内所です.相談員が常駐しており,生態園の総合窓口となっています.「森の調査隊」や「生態園学校」などの観察会の受付もここで行なっています.園内での自然観察に役だつ出版物も,各種ご用意しています.建物の中では,生態園の立体模型や園内の気象情報などもご覧になれます.また,年に4回の生態園トピックス展が開催されています. | |||
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(5) 野鳥観察舎 | |||
舟田池の岸辺に設けられた野鳥の観察場所です.舟田池に飛来する水鳥や,保存林にやってくる野鳥を,そなえつけの望遠鏡で観察できます.バードガイドが野鳥の見分け方や生態についての説明をおこなっています.鳥の行動や生態についての資料(本・CD)もご利用になれます. | |||
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生態園内の主な施設の見学時間と利用人数は次のとおりです. ・オリエンテーションハウス 約10分 40名 ・野鳥観察舎 約15分 20名 ・植物群落園一周 約15分 ― ・植物群落園および湿原一周 約25分 ― ・植物分類園および生態実験園 約20分 15名 | ||
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![]() 南総の自然:A. 海岸植生,B. 岩石観察地,C. タブノキ林,D. スダジイ林,E. アカガシ林,F. モミ林 北総の自然:G. アカマツ林,H. ススキ草地,I. シラカシ林,J. イヌシデ・コナラ林,K. マダケ林,L. 湿原 保 存 林:M. 在来の雑木林(クヌギやコナラ,イヌシデ,エノキなどで構成されている林) |
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・園路の中には,ハイヒールでは歩きづらい場所もあります.歩きやすい靴でお越しください. ・トイレはオリエンテーションハウスと野鳥観察舎にそれぞれ設けてあります.オリエンテーションハウスのトイレは,車椅子の方もご利用になれます. ・ご見学にあたっては,柵で仕切られた園路の中をお進み下さい.危険防止と生きもの保護のため,園路を外れて林内に入るのはご遠慮ください. ・生態園での飲食はご遠慮下さい.衛生上の問題ばかりでなく,残飯などが園内の自然に悪影響を与えます.水飲み場はオリエンテーションハウスにありますが,自動販売機等は設置しておりません.また,火災防止のため,園内は禁煙です.ご協力ください. ・園内の自然はとてもデリケートです.走ったり大声で騒いだりするのはご遠慮ください.また,生態園での生きものの採集は禁じられています. ・園内の動植物保護のため,犬,猫などのペットをつれての入園はご遠慮ください. ・20 名以上の団体によるご利用,また,生態園の特別な利用(写生大会,オリエンテーリング等)をご希望の場合は下記までご相談ください. | ||
問い合わせ先:千葉県立中央博物館 環境科学研究科 |
〒260-8682 千葉市中央区青葉町 955-2 |
電話:043-265-3111(博物館代表電話) |