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  総発掘ものがたり━各展示コーナー解説書━

戦国武将 真里谷武田氏の居城 ━笹子城跡━
所在地と遺跡の概要

⇒笹子城跡測量図および発掘区位置図


 笹子城跡は,木更津市笹子字裏北409他に所在し、東関東自動車道建設に先立ち城跡北端部分の調査が行われました。

 城跡は、南から北に延びる支丘陵全域を城域とし、南北850m・東西400mを測り 県内に存在する約1,000カ所の中世城館跡の中でも有数の規模の城です。

 笹子城跡に関する直接的な文献や史料は現在確認されていませんが『群書類従』合戦部にある「ささこおちのさうし」(笹子落草子)に笹子城をめぐる攻防戦が記されています。

 それによると、笹子城は真里谷武田氏一族の武田信茂が城主でしたが、天文12年(1543)前後の一族の内紛をきっかけに、北条氏・里見氏も加わり2度の合戦が行われ落城し滅亡したとされています。

 その後の笹子城に関しては、江戸時代末の『上総日記』に「里見氏の重臣正木大膳の城の跡」と記されており、里見氏の勢力下にあったようです。

展示資料
 調査では、建物の柱穴跡や中国や国内(瀬戸・美濃・常滑等)産の陶磁器類が大量に出土しました。

 特に中国産茶入や独鈷杵・水晶製ミニチュア五輪塔(仏具)は県内で初めての出土例です。宝篋印塔や五輪塔も数多く発見されました。

 独鈷杵
(千葉県教育振興財団作成資料による)

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