企画展のようす 〈行事のようす〉 その3

 化石のクリーニング 
 化石のクリーニング」は,採集してきた化石標本から,余分な岩石や砂を取り除いてきれいにする作業です.また,化石の種類を調べて,その名前を決定する作業を「同定」といいます.どちらも化石の研究にとって重要な作業です.
 というわけで,7月22日に行なわれた行事「化石のクリーニング」のようすをのぞいてみました.
 

 画像その1

みなさんこんにちは」あいさつのあと,講師の伊左治研究員から,今日の講座についての説明がありました.

「君津市で採集してきた貝の化石を使ってクリーニングと同定の練習をしてみましょう.この化石は,約70万年前の,水深100メートルくらいの海でたまった地層から採集したものです
.」

 画像その2


まだ砂が付いている
4種類の貝と,クリーニングに使う道具のピンが配られました.

よく見ると,似たような貝が2組ずつあるようです.


 画像その3


「まず,シマワスレガイとシオフキアサリをクリーニングしてみましょう.」

「この二つは,しま模様が良く似ていますが,「他人の空似」です.」


 画像その4


化石についている砂を歯ブラシとピンで取り除いていきます.

化石はとてもこわれやすいので,あまり力を入れすぎないようにして,すこしずつ根気良くやるのがコツです.


 画像その5

「良く似ていますが,良く見ると,このてっぺんのとがり具合や,縁のギザギザの有る無しによって区別できます.」

「クリーニングが終わって,同定ができた化石には,ラベルに化石の名前
を書いて一緒にビニール袋にいれておきましょう.」

 画像その6
きちんとラベルを書いていますね.えらい,エライ.
ラベルには,採集した場所と地層の名前も書いてと.

自分で採集したら,採集した日と,採集した人の名前も書いておきましょう.

あとでそういう情報がわからなくなってしまうと,標本としての価値が下がってしまいますよ.


 画像その7

「次に,タマキガイとビロードタマキガイをクリーニングして同定してみましょう.」


 画像その8

「先生,これであってますか?」

「どれどれ・・・」
あっていますね.よくできました.」


 画像その9


4種類の貝化石のクリーニングと同定の作業が終わりました.

ラベルもつけて,これで立派な化石標本の完成です.

いいおみやげができましたね.

 画像その10

「これは,福島県でとれた1000万年前の岩石です.ここに化石が入っているのが見えますか?」


「今日は,特別に,8月に行なう化石発掘たいけんで使う岩石を使って,化石探しと,クリーニングをやってみましょう.」

「今日参加した皆さんは,非常にラッキーです.」


 画像その11


お父さんガンバって〜!

何が出るかな〜.ワクワク

お父さんが割る石に家族みんなの視線が集まります.


 画像その12

やったー!貝の化石が出たよ.

2ついっぺんに出てきました.お見事.


 画像その13

さっき練習した要領で,ピンを使ってクリーニング.

こわれやすいので,気をつけて.

バラバラになったら元にはもどりませんよ.

 画像その14

「宴たけなわ」ですが,もう終わりの時間が近づきました.

みんなギリギリまでねばります.

ティッシュペーパーと新聞紙で,丁寧にくるんでお持ち帰り.これはお父さんの仕事のようです.

クリーニングの続きはお家で頑張ってください.
 画像その15

「今日割った石からは,プリントにある貝の化石がみつかります.家に帰って名前を調べてください.」

(最後に,企画展ガイドブックの宣伝もわすれずに・・・と.)

大好評のうちに終了しました.8月にも化石発たいけんをやりますので,またやりたい方はぜひどうぞ.

お手伝いのボランティアの方もお疲れ様でした.

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