平成23年度 春の展示

芽ばえ 展示 ロゴタイプ

平成24(2012)年3月17日(土)〜5月27日(日)
(月曜日は休館)
会場:千葉県立中央博物館 本館 第1企画展示室

はじめに

展示の概要

関連行事(平成23年度)
関連行事(平成24年度)

開催概要
交通案内
お問い合わせ

ポスター・チラシのダウンロード


モミジガサの芽ばえ
アカネスミレの芽ばえ
モミジガサ
アカネスミレ

タネから生まれたばかりの小さな植物『芽ばえ』。
春には、庭先から野山まであちこちの地面にたくさん現れます。しかし、小さい、種類名がなかなか分からない、すぐに消えてしまうなどのため、注目されることはほとんどありません。でも、よ〜く見れば、精一杯に葉を広げたその姿には、種類ごとに個性があり、かわいらしい表情すら感じられます。この展示では、多数のクローズアップ写真や標本、植物画などを用いて、野山や公園の木々から、山野草、雑草、果物に至るまで、親植物なら知られた「あの木・あの草」の、知られざる生まれたての姿をビジュアルに紹介します。また、ちょっと変わったヘンテコな芽ばえも紹介します。
芽ばえをテーマとした世界初の本格的な展示会。この展示会を見れば、春の野外を歩く楽しみが一つ増えることと思います。

この展示で「芽ばえ」とは、次のような特徴をもった植物を指しています。

(1) 葉が数枚以下で、全体が小さい。
(2) 根元にタネがついている。または、最初に地ぎわ近くに開く葉(子葉)
 の姿形が、その上に開く葉(本葉)と違う(多くの種類の子葉は、2枚
 が対になったいわゆる双葉)。
(3) 茎や葉、根がみな柔らかくて新鮮。



● 展示の概要

○双葉のある芽ばえ

芽ばえを特徴づけるのは、生まれて最初につくられる葉である子葉。これが向かい合わせに2枚セットになっているのが双葉です。多くの芽ばえには双葉があり、その後に開く本葉とは形などが違うのでそれと分かります。でも、双葉が地上に開く芽ばえ(地上子葉型)ばかりでなく、地下に留まったまま開かない芽ばえ(地下子葉型)もあります。

カキの芽ばえ(地上子葉型) クリの芽ばえ(地下子葉型)
カキ(地上子葉型)
クリ(地下子葉型)


○芽ばえの表情 −双葉−

たった1対2枚の小さな双葉にも、種類ごとに個性があります。

エノキの芽ばえ ノイバラの芽ばえ
エノキ
ノイバラ


○針葉樹の芽ばえ

 マツやスギなど針葉樹は、名が表すとおり葉が細く、子葉も細長い特徴があります。種類によって子葉の枚数(細いから本数?)は2〜10本以上と様々です。

スギの芽ばえ
シラビソの芽ばえ
ヒマラヤスギの芽ばえ
スギ
シラビソ
ヒマラヤスギ


○単子葉の芽ばえ

 ユリの仲間などは子葉が一枚なので、単子葉類と呼ばれています。でも、子葉は地上に開くとは限らず、また葉には見えないヒモ状、サヤ状などの形をしていることもあるので、芽ばえをみて、どれが子葉なのかはなかなか分かりません。さらに、発芽1年目には地下に子葉と根を出すだけで地上に葉を開かないため、発見が難しい芽ばえもあります。

単子葉類の芽ばえ(シンテッポウユリとヤマユリ)

シンテッポウユリ.
子葉(矢印)を地上に開く種類.

ヤマユリ.子葉(矢印)を地上に開かない種類.

左:発芽1年目秋(地中で、タネから白い子葉と根を伸ばす).右:発芽2年目春(地上に本葉を伸ばすが、タネははずれて、子葉も半分枯れている).


○同じ仲間の芽ばえ

血縁が近い同じ仲間(科や属)の芽ばえは、姿・形が似ていることが多いようです。いくつかの仲間で比べてみました。

ブドウ科の芽ばえ
ブドウの仲間(ブドウ科)の芽ばえ


○樹木の芽ばえ

野山や公園で見かけるいろいろな樹木や低木の芽ばえを紹介します。

ケヤキの芽ばえ
ナンテンの芽ばえ
ケヤキ
ナンテン


○山野草の芽ばえ

 野山で可憐な花を咲かせる山野草。でも、その芽ばえの姿を知る人は少ないと思います。

カタクリの芽ばえ
カキツバタの芽ばえ
カワラナデシコの芽ばえ
オミナエシの芽ばえ
カタクリ
カキツバタ
カワラナデシコ
オミナエシ


○果物の芽ばえ

 果物のタネは捨てられてしまいます。でも、これを鉢に播けば、多くはちゃんと発芽します。おいしく食べたあと、タネまきをすれば、もう一つ楽しみが増えます。

リンゴ
リンゴのタネ
リンゴの本芽(ほんめ)
リンゴの双葉
リンゴの本葉(ほんよう)

リンゴのタネを鉢に播いてみました。春だと半月ほどで発芽して、約1か月で右下のように本葉を開きます。



○変わった芽ばえ

 双子葉類なのに子葉が1枚しかない種類や、双葉の片方が極端に小さい種類など、小さいながらちょっと変わった芽ばえをお目にかけます。

セツブンソウの芽ばえ
シクラメンの芽ばえ
イワタバコの芽ばえ

セツブンソウ
双子葉類だが子葉は1枚.

シクラメン(原種コウム)
双葉の片方(矢印)は退化.

イワタバコ
双葉の片方(下側)は秋まで大きくなる.


○ハスとオニバスの芽ばえ

 水生植物のハスとオニバスは、共に丸い大きな葉をつけ、花もやや似ているため、昔は同じ仲間(スイレン科)だと考えられていましたが、DNAの解析に基づく現在の分類では、じつはとても離れた類縁関係にあることが判明しています。形の類似は、他人の空似だったわけです。さて、千葉でハスといえば、千葉市の検見川の土の中から掘り出された古代のタネから育った「大賀ハス」が有名です。検見川にあった東京大学の施設で系統保存されていた大賀ハスから得られたタネを発芽させました。芽ばえでは、ハスとオニバスは似ているでしょうか?

ハスの芽ばえ
オニバスの芽ばえ

ハス
子葉はタネの中に留まり、開かない。本葉は1枚目から親と同様の丸い形。

オニバス
子葉はタネの中に留まり、開かない。本葉は、1枚目は針状、2枚目は矢尻形…と形が変わる。



○芽ばえを描く

 徳永桂子氏による、ブナ科の芽ばえのカラー細密画と、浅野貞夫氏による、房総を中心とした植物の芽ばえの細密画をご紹介いたします。






● 関連行事(平成23年度)

・講演会「芽ばえと芽吹き ーその不思議さと面白さー」

開催日時:平成24年3月24日(土曜)13:30〜15:30 
会場:中央博物館講堂(参加無料)
講師:八田洋章氏(国立科学博物館名誉研究員)
内容:いろいろな樹木の芽ばえや芽吹きの多様な姿・形を、豊富な
   写真を用いて紹介します。春の樹木ウォッチングの見どころ
   がわかります。
募集:中学生以上、当日先着200名
受付:講堂前にて、13:00から受付開始

・ミュージアムトーク(平成23年度)

 研究員が本展示を簡単に解説いたします。
平成24年3月17日・31日(土曜)
11:00〜11:30、14:30〜15:00
定員なし・どなたでも参加できます(小学生以下は保護者同伴)
申し込み不要(開始時間までに2階ホールにお越しください)
高校生から65歳未満の方の参加には入場料が必要です。



● 関連行事(平成24年度)

・観察会「芽ばえと芽吹きウォッチング」

開催日時:平成24年4月29日(日曜・昭和の日)13:30〜15:30
会場:生態園および青葉の森公園(参加無料)
講師:八田洋章氏(国立科学博物館名誉研究員)
内容:生態園と青葉の森公園にあるいろいろな樹木の若枝や芽ばえ
   を観察しながら、形の面白さや、枝の伸び方、葉の開き方な
   どを実地に学びます。楽しみながら、春の樹木ウォッチング
   のポイントが分かります。
募集:中学生以上、当日先着30名
受付:生態園オリエンテーションハウス前にて、当日13:00から
   受付開始
その他:小雨決行、大雨中止

・講演会「芽ばえさまざま─形と生態の多様性─」

開催日時:平成24年5月19日(土曜)13:30〜15:30
会場:講堂(参加無料)
講師:大野啓一(当館研究員)
内容:草から木までのさまざまな芽ばえの形や生態の多様性を紹介
   します。展示しきれなかった芽ばえの数々や、展示準備の
   苦労話・裏話なども…。
募集:中学生以上、当日先着200名
受付:本館講堂前にて、13:00から受け付けます。

・ミュージアムトーク(平成24年度)

平成24年4月14日・28日、5月12日・26日(いずれも土曜)
 それぞれ 11:00〜11:30、14:30〜15:00
 研究員が本展示を簡単に解説いたします。
定員なし・どなたでも参加できます(小学生以下は保護者同伴)
申し込み不要(開始時間までに2階ホールにお越しください)
高校生から65歳未満の方の参加には入場料が必要です。





《 開催概要 》

期間:平成24(2012)年 3月17日(土)〜5月27日(日)
休館日:毎週月曜(ただし,4月30日(月)は開館します)
開館時間:9:00〜16:30 (入館は16:00まで)
会場:千葉県立中央博物館 : 第1企画展示室ほか
料金:一般 300円 / 高・大学生 150円
   中学生以下・65歳以上 無料
 なお、平成24年度については平成23年度末までに確定します。

利用案内について,くわしくは⇒ こちら

《 交通案内 》

 くわしい交通案内は⇒ こちら

○電車・バスをご利用の場合
その1 千葉駅(JR総武線・京成線)から
・東口7番乗り場から,京成バス「千葉大学病院」「南矢作」行きで
  約15分.バス停「中央博物館」下車,徒歩7分.(本数多い)
・東口の6番乗り場から,ちばシティバス「川戸都苑」行きに乗り
  約15分,「中央博物館」で下車し,徒歩7分です.
・東口2番乗り場から,千葉中央バス「中央博物館」行きで約20
  分.終点のバス停「博物館・文化ホール」下車,徒歩約2分.
  (本数少ない)
その2 蘇我駅(JR京葉線・内房線・外房線)から
・東口2番乗り場から,小湊鐵道バス・千葉中央バス「千葉大学
  病院」行きで約15分.バス停「中央博物館」下車,徒歩7分.
  (本数少ない)
その3 千葉寺駅(京成千原線)から
・徒歩約20分.(蘇我駅からのバスが千葉寺駅を経由します)

○車をご利用の場合
京葉道路「松ヶ丘インターチェンジ」から約5分です.中央博物館は
  「県立青葉の森公園」の中にあります.自動車でお越しの方は
  「市立青葉病院」方面の「青葉の森公園北口駐車場」をめざして
  ください.

《 問い合わせ 》

千葉県立中央博物館 〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
電話:043-265-3111 ファクシミリ:043-266-2481
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/


《ポスター・チラシのダウンロード》

ご来場をお待ちしています

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