「地域の音が出る地図」プロジェクトに参加、協力していただいた方々のコメントや感想の紹介です。
これまでに私たちは、二次元の地図上に音や画像情報を配置して、誰もが自由にその情報を利用することができるシステムを開発してきました。本研究ではより現実感を体感するために、二次元平面ではなく、パノラマ映像を使用して360度の景観において音を聞くシステムの開発を試みました。
既存のシステムは写真と二次元地図で構成されているために、パノラマ映像を使用することで、より現実に近いシステムを構築出来るようになりました。
このパノラマ映像は、はん用性の高いFlash形式で作成しています。また、特別な機械を使わずに誰でも簡単にパノラマデータを作ることができる手法を検討しました。さらにパノラマ写真を回転させると音の聞こえる方向が回転する3Dサウンドシュミレーターと既存の二次元地図とパノラマ写真を組み合わせて新たなシステムを構築し、Webでの公開に至りました。
小林田鶴子
日本サウンドスケープ協会
「音の出るマップ」はパソコンを使っていても、その目的は「生の音」を体験することにあります。同じ音でも人によって、その時の感情によって変わって聞こえますので、その違いを知ることも楽しいです。
私は、2000年より四日市市で始めた実践で、それを実感してきました。
土井 学
地図作りに参加しました
ありふれた「日常の音」でも、異なる地域に暮らす人、あるいは何年もの時間を経てその音を聞く人にとっては、貴重な資料であることを実感しました。
今、自分の暮らしの中で聞こえている音も、かけがえのない「音の風景」なのかもしれません。
田中理恵子
編集に参加しました
今から数年前に生態園で収録された「地域の音が出る地図」の編集を担当しました。
当時の生態園周辺の環境音や四季ごとに移りゆく鳥や虫たちの声に耳をすます日々でした。
千葉県の鳥であるホオジロの声…生態園の林が茂り環境が変化したことで今では辺りの公園の方から聞こえてきます。
曽我部 行子
生物多様性フォーラム(JFB)
音楽に耳を傾ける機器装置が変わってしまったという。今の人は、パソコンを使って音楽を聞くので、ステレオなどはおろか、MDやCDさえ不要だそうだ。
それでも、古来から耳が音を聞き分け続けることに変わりはない。
リアルな音環境を新しい方法で記録する装置に期待が尽きない。
丸山聡栄
調査に参加しました
自分が実際に体感した記憶を元に佐原のいくつかの地点のパノラマ画像に選んだ音を入れていく作業をしました。
録音された、たくさんの音の中から、自分の耳で捕らえた音環境を画面の中に作り出すことで、第三者と追体験できる面白さを味わいました。