冷間圧延・連続焼鈍

高品質・高機能の薄板は,JFEスチール(株)東日本製鉄所(千葉地区)が得意にしている製品です。

熱間圧延工場で生まれた薄板を,最も薄いものは厚さ0.1mmにまで薄く美しく仕上げます。
「冷間」というのは,特に熱を加えないという意味です。さらに,連続焼鈍炉で“焼きなまし”し,強靭で加工性に富んだ美しい鋼鈑をつくります。

熱間圧延で生まれた薄板を,さらに薄く・美しく磨き上げます。

溶接機でつながれたコイルを,連続的に強力なパワーの冷間圧延機(コールド・ストリップ・ミル)でぐんぐん伸ばしていくと,自動車・家電製品・ジュースの缶などに使われる,厚さ1mm以下の薄板が誕生します。
千葉地区のNo.2冷間圧延機(2TCM)は,最高圧延速度毎分2,800m,仕上げ板厚平均0.24(最小0.14)mm,そして圧延長さが月間6.5万kmと世界最高水準の性能を誇っています。

連続焼鈍設備が,鋼鈑に加工性をプラスします。

冷間圧延機から出てきた硬い薄板は,プレス成形できるように焼鈍という過程で熱を加えて軟らかくします。
JFEスチール(株)の連続焼鈍設備は,急冷・過時効処理設備により,1パスで3種類のヒートサイクルが得られ,5品種の製造を可能にする画期的な多目的ラインです。
特に,鋼鈑幅方向の冷却能を制御して冷却ムラを防止し,均一で高品質な製品を提供します。


冷間圧延機

表面処理

できあがった薄板をサビから守るために,亜鉛や錫やクロムをメッキします。

薄板の表面にメッキして,大敵のサビから鉄を守ります。

鉄の優れた特性を様々な環境で最大限に利用するために,用途に応じた表面処理を施すのがメッキ工程です。
メッキ方法から「電気メッキ」と「溶融メッキ」に,メッキ金属から「亜鉛メッキ」と「錫メッキ」(ブリキ)および「ティンフリースチール(クロムメッキ)」に分けられます。一部は,さらに樹脂などの被覆を施して製品となり出荷されます。

自動車や建材,飲料缶や缶詰のスチール缶として利用されています。

亜鉛メッキ鋼板は,自動車のボディや各種の建材,機械品に加工されて,毎日の暮らしを支えています。ブリキとティンフリースチールは,飲料缶や食缶の材料として広く使用され,近年はその優れたリサイクル性と安全性が改めて高く評価されています。
また,鋼板の厚みは薄ければ薄いほど資源の節約と軽量化に役立ちますが,千葉地区では0.06mmという紙より薄いメッキ用原板も製造しています。



溶融亜鉛メッキ設備

ステンレス冷間圧延

千葉地区では,さびにくい鉄・ステンレスも原料から一貫して製造しています。


熱間圧延で生まれた薄板を,さらに薄く・美しく磨き上げます。

ステンレス冷間圧延機は,世界初の5フィート幅12段クラスター式のリバース圧延機です。
ロールと鋼鈑の冷却能力の強化によって,毎分800mという高速圧延を実現。また,高精度の自動板厚制御方法を採用することで,優れた板厚精度を誇ります。
さらに,新開発の圧延油の採用で高光沢を高能率の圧延油フィルターの採用で良好な表面品質をそれぞれ実現しています。
圧延された薄板は,連続焼鈍酸洗設備に送られます。
ここでは,世界で初めてライン内に調質圧延機・テンションレベラー・トリマーなどの設備を取り込み,大幅な工程省略を実現。
さらに,電解クリーニング槽をライン内に設置し,鋼板表面の光沢性向上・品質の安定化を実現するとともに,自動疵検査装置の導入により,高いレベルでの品質保証を実行しています。
また兵庫県の西宮では,非常に光沢の優れた鋼鈑や,自動車用の触媒などに使う紙の薄さの1/3にあたる30μm程度の極薄箔を製造しています。


ステンレス・コールド・ミル
それぞれの製品が作られる工程
圧延鋼鈑・帯鋼

製造工程
原料処理→製銑→製綱→連続鋳造→熱間圧延
冷延鋼鈑・帯鋼

製造工程
原料処理→製銑→製鋼→連続鋳造→熱間圧延→冷間圧延
表面処理鋼鈑
(亜鉛メッキ鋼鈑・ブリキなど)

製造工程
原料処理→製銑→製鋼→連続鋳造→熱間圧延→冷間圧延→表面処理
ステンレス鋼鈑・帯鋼

製造工程
原料処理→製銑→製鋼→連続鋳造→熱間圧延→ステンレス冷間圧延
大径鋼管

→U.O.Eミル
鉄粉

→鉄粉