33 あづま屋旅館


所在地 成田市
竣工年 T末期
所有者 (有)宮田商店
設計者 不明
施工者 不明
構造 木3
外壁 下見板張り
屋根形状・葺材 入母屋造,瓦棒鉄板葺
建築規模 115.9m2

あづま屋は新勝寺の正面道路から仁王門へ通じる参道の西側に位置する旅館で,この地に旅館を始めて現在で4代目,今の建物は2代目が大正末年に建てたという。参道へ通じるこの小路には,このあづま屋の右隣に隣接してはま屋,やや参道よりのはす向かいに田丸屋といった旅館が並び,正面の雑踏からは隔たり,落ち着いた雰囲気と景観を形成している。

建物は間口4間半の小規模な3階建てであるが,1階の間口一杯に成の高い差物を入れ正面の柱を省略し,店先を大きく構えている。正面の外観は,2・3階にそれぞれ先端に刳形を付けた持ち送りで跳ね出した高欄を組み,軒を1階が吹き寄せ垂木のせがい軒,2階が普通の並行垂木,3階が吹き寄せ垂木の構成として変化を与えている。1階の前寄り全面が土間叩きとなり,その奥の中廊下右側に帳場と厨房及び風呂場・手洗いといった設備を設け,左側には2室の納戸を設けてある。納戸は物置として使用する部屋であるが,女中部屋の用途も兼ねていたという。2階へは帳場脇の客用と,裏手の厨房側の業務用の2か所の階段を設け,使い分けている。2・3階の客室には四と九の数字を除いた通し番号が付く。客室の配置は2室続きを単位に計画されていて,各々が廊下で隔てられ独立した間取りとなっている。込み合う季節を除いては,通常は2室続きの部屋として宿泊させているという。一般の部屋の大きさは6〜8畳間,2間続きの一方の部屋に床と棚を設けてある。[事務局]


遠景


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