しおどめばし

31 潮留橋


館山市

交通関係・道路・道路橋

橋長19.0m,幅員9.0m
1929(昭和4)年

以前は館山の下町の町中にあって,汐入川をまたぐ木橋が潮留橋の最初の姿で,館山と北条を結ぶ交通の要所として重要な役割をもっていた。関東大震災で破損はしたものの,崩壊はしなかった。

しかし遅々と進まぬ復旧の中で,館山海軍航空隊(昭和5年開隊)開隊予定地と当時の安房北条駅(現在のJR館山駅)とを結ぶ道路(現在の国道410号)が真っ先に改修され,従来の低湿な島原通りの東に現在の島原通りが出来て,またたくまに汐留橋まで店舗が立ち並び,六軒町に続く賑やかな通りとなった。汐留橋は道路改修と併せて,1929(昭和4)年3月,現在の橋梁の原型である鉄筋コンクリート造桁橋へと改築されている。その諸元は次の通りである。

構    造:鉄筋コンクリート2径間連続T桁橋
        上部構造:RC桁(7本)
        下部構造:重力式(橋台,橋脚),木杭
        (橋台基礎48本,橋脚基礎30本)

規    模:橋長19.0m,支間9.5+9.5m
        幅員9.0m(歩0.75+車7.5+歩0.75)

橋    格:1等橋

なお,1974(昭和49)年には親柱及び照明4基の補修,1992(平成4)年10月から1993(平成5)年3月末にかけて,高欄及び桁の補修・塗装及び照明4基の改修工事が行われている。この度の改修工事には周辺商店街の活性化と周辺環境の整備に合致するようなものとなること,さらには,郷土史「安房誌」(斉藤東湾著,133〜134頁)に橋の名のいわれが記載されており,それに基づき橋梁銘板を「汐留橋」から「潮留橋」へと書き換えることが,盛り込まれている。

(瀧 和夫)

地形図 「館山」(略)


写真31-1 潮留橋全景図(1997年)
写真31-2 潮留橋橋上部(1997年)

図31-1 潮留橋概略図1) (略)

(a) 側面図
(b) 断面図
(c) 平面図

参考文献

1) 千葉県館山土木事務所橋梁台帳
2) 館山市編さん委員会:館山市史,第一法規,1971年
3) 斉藤東湾:郷土史「安房史」
4) 君津文雄:ふるさとの想い出,写真集明治大正
  昭和館山,国書刊行会,1981年


Back
Home
Up
Next