こみなとてつどうだいいちようろうがわきょうりょう
56 小湊鉄道第1養老川橋梁
市原市 |
交通関係・鉄道・橋梁 |
全長93.43m
1925(大正14)年 |
第1養老川橋梁は,小湊鉄道の五井起点10.1kmに所在する。55第1柴の下橋梁からは,400m程度の距離にあり,地形に大きな変化は見られない。ただし,光風台駅,馬立駅は養老川左岸にあり,上総牛久まで,小湊鉄道線は丘陵の端を通過するようになるため,築堤は見られなくなる。
小湊鉄道の場合,前述のように橋梁は規格化されており,この第1養老川橋梁も12.95m(40フィート)と19.58m(60フィート)の橋桁をもって構成されている。40フィートと60フィートの橋桁設計図は確認できなかったが,見たところ,6.10m(20フィート)の橋桁と基本構造は同一である。
主な構造と法量は次のとおりであるが,法量は第1養老川橋梁一般図から算出した。
全長=93.34m(橋台面間)
支間=12.95m(40フィート) 19.58m(60フィート)
構造=上略式デックプレートガーター(開床式)
第1橋桁=40フィート 第2橋桁=60フィート
第3橋桁=60フィート 第4橋桁=40フィート
第4橋桁=40フィート 第6橋桁=40フィート
橋台,橋脚=コンクリート
起点方橋台高=6529mm
終点方橋台高=3846mm
第1橋脚高=7024mm
第2橋脚高=8548mm
第3橋脚高=8548mm (40フィート方)
8013mm (60フィート方)
第4橋脚高=10522mm
第5橋脚高=9987mm (60フィート方)
10522mm (40フィート方)
なお,第1養老川の橋脚の基礎は,直径150mmの松丸太が多数使用されているが,経年劣化の見られる第1橋脚,第2橋脚,第3橋脚は1990(平成2)年に従来の橋脚を包み込む工法で改修工事が行われた。
(山下耕一)
地形図 「姉崎」(略)
図56-1 第1養老川橋梁附近線路断面図2) | 写真56-1 養老川第1橋梁全景(画面右が起点方) |
写真56-2 第1養老川橋梁橋台付近(画面右が起点方) | |
図56-2 第1養老川橋梁一般図3) |
参考文献
1) 白土貞夫:ちばの鉄道一世紀,崙書房,1996年
2) 宮脇俊三・原田勝正編:日本鉄道名所 第3巻首都圏各線,小学館,1987年
3) 小湊鉄道:第1養老川橋梁一般図
※「図56-1養老川第1橋梁付近線路断面図」は,小学館刊『日本鉄道名所第3巻 首都圏各線』174ページに掲載されている「小湊鉄道線路断面図」を,転載したものである。