くりやまじょうすいじょうはいすいとう

76 栗山浄水場配水塔


松戸市

土木関係・上下水道・配水塔

内径15m,高さ31.9m,有効容量3,356立方m
1937(昭和12)年

千葉県の県営水道は1934(昭和9)年に,給水人口25万人,1人1日最大給水量150l,1日の最大給水量37,500立方m ,給水区域千葉市,松戸町,船橋町など1市12町村の計画で始まった1)。これらの水を供給する施設として現在の古ケ崎浄水場(27,000立方m/日)と干葉浄水場2)(10,500立方m)が建設された。その後,千葉県の水道施設は1956(昭和31)年に始まった第1次,続く数次の拡張事業で順次拡大したが,第1次拡張事業の一環として栗山配水塔のある所に栗山浄水場が建設され,これ以後,栗山配水塔は古ケ崎浄水場(松戸市古ケ崎)から栗山浄水場(松戸市栗山)へ管理替えになった。

以上のことから明らかなように,栗山配水塔は,もともとは千葉県で最も歴史の古い県営水道施設の一つである古ケ崎浄水場の付帯施設として建設されたもので,1937(昭和12)年3月31日に完成している。以来60年を経て現役である。1980(昭和55)年度に配管の布設替えをした際に,43年ぶりに水抜きをし,塔内没水部を点検したところ,壁面にはほとんど損傷は見られず,良好な原形を保っていたようである。塔体は鉄筋コンクリート造で,規模は高さ31.9m,内径15m,有効水深20m,有効容量3,356立方mである。当初は約5km離れた古ケ崎浄水場からポンプで圧送された水を貯水し,塔圧力で浦安町や検見川町(当時)などに配水していた。

給水塔建設時のもと思われるベンチュリ管(水量測定器)の圧力測定器と記録計(記録紙も残存)が塔内に1基,倉庫内に1基残されているのも貴重である。

(是永定美)

地形図 「松戸」(略)

写真76-1 栗山浄水場配水塔(1997年) 写真76-2 ベンチュリ管の測定部(1997年) 

参考文献

1) 千葉県水道局:千葉県営水道史,(非売品),1982年
2) 千葉県水道局:千葉県営水道


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