房総の地衣類

樹状地衣:ハナゴケ属(基本葉体は鱗片状,顆粒状)-1/ Cladonia

※全種の写真が掲載されているわけではありません

 

大きな仲間分け: 吉村(1974)「原色日本地衣植物図鑑」による

1a.石蕊群(基本葉体は顆粒状で早期に消失する.子柄表面に平滑な皮層を欠く)・・・・・A

1b.開口群(基本葉体は鱗片状.子器は褐色.子柄の分枝の脇は開口する)・・・・・B
1c.閉鎖褐実群(基本葉体は鱗片状.子器は褐色.子柄の分枝の脇は開口はなく閉鎖する)・・・・・C
1d.赤実群(基本葉体は鱗片状.子器は赤色.)・・・・・D
 
A.石蕊(せきずい)群 
基本葉体は顆粒状で早期に消失する.子柄表面に平滑な皮層を欠く.千葉県からはハナゴケC. rangiferina のみ記録があるが,県内では絶滅したか,その寸前とみられる.
cladonia

Cladonia rangiferina/ ハナゴケ.

(山梨県).

 

県内では絶滅(あるいは寸前)と考えられる貴重種.

 
 
B.開口(かいこう)群
基本葉体は鱗片状.子器は褐色.子柄の分枝の脇は開口する.ただしドテハナゴケC. caespiticia では子柄は高さ1㎜程度で分枝をしないため,開口は見られない.千葉県では,種数は少なく,ドテハナゴケを除けばきわめてまれか,まれ.
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Cladonia crispata/ ショクダイゴケ(

Cladonia furcata/ マタゴケ( Cladonia cabriuscula/ ササクレマタゴケ
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Cladonia caespiticia/ ドテハナゴケ(

   
C.閉鎖褐実(へいさかつじつ)群
基本葉体は鱗片状.子器は褐色.子柄の分枝の脇は開口はなく閉鎖する.じょうご形のものもある.本属のなかでは,県内で最もよく見られる群.
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Cladonia humilis/ ヒメジョウゴゴケ(

Cladonia chlorophaea/ ジョウゴゴケ(

 
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Cladonia fruticulosa/ タイワンレンゲゴケ(

Cladonia rei/ ヒメレンゲゴケ(

Cladonia coniocraea/ ヤリノホゴケ(
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Cladonia subcariosa/ マキバハナゴケ(

   
D.赤実(せきじつ)群: 
基本葉体は鱗片状.子器は赤色.子柄がじょうご形の種類もあるが,ウスニン酸を含むため,閉鎖褐実群内のじょうご形となる種とは区別できる.
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Cladonia macilenta/ コアカミゴケ(

Cladonia pleurota/ アカミゴケ(