デジタルミュージアム・特集『日本博覧図』

後編-166 小松原鏡忍寺境内全図こまつばらきょうにんじけいだいぜんず

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旧町村名現市町村名絵師彫師寸法
長狭郡東條村鴨川市広場芳雄横29.2×縦20.1cm
文永元年(1264)の日蓮“小松原法難”の地に、法難後10年目の弘安四年(1281)に建立された日蓮宗の名刹。当初の山号は「妙隆山鏡忍寺」。日蓮の危難を身を以って防ぎ落命した、天津城主工藤吉隆(妙隆院日玉上人)と門弟鏡忍房(日暁上人)にちなむ。後に山号は、字名にちなんで「小松原山」と改められる。図中には松の木が多く見られ、中でも祖師堂前の「祖師御手植菩提松」はひときわ目立つ。ただし、現在の境内には松の大木はほとんど見られない。「降神の槙」と称され、日蓮遭難時に鬼子母神が降臨して助けたと伝えられる槙の古木は、「二王門」近くに今もあり人目を引いている。なお境内には、初代“波の伊八”を初めとした武石家歴代の墓所もある。

2005年1月 歴史学研究科