きのこの見分け方

6つの迷信、4つの対策、採集の方法
 ◆6つの迷信◆
 1 「毒きのこは毒々しい色をしている」  → ×
色と毒は無関係です.例えば鮮やかな赤い色のタマゴタケは有名なおいしい食菌.
 2 「柄が縦にさけるきのこは食べられる」 → × 
毒きのこのほとんどは全部縦に裂けます(例:ドクツルタケ).逆に食べられるもので裂けないものもあります(例:ハツタケ).
3 「毒きのこでも茄子と煮ると中毒しない」 → ×
茄子にきのこの毒を消す成分はありません.また沸騰するお湯程度の熱で分解する毒はほとんどありません.
4 「塩漬けにすればどんな毒きのこでも食べられる」→ ×
塩漬けして水にさらしても,残る毒はあります.実際,信州などでは塩蔵きのこによる中毒もおこっているようです.
5 「かじってみて変な味がしないものは大丈夫」  → ×
テングタケ類は致死的なものでも,食べたときには大変美味だと感じるものがあるようです(例:ドクツルタケ)
6 「ナメクジや虫が食べているきのこは食べられる」  → ×
そんなことはありません.猛毒のきのこも虫は食べます.
Q&Aその1


 ◆4つの対策◆
  1 正しい知識を身につける.
ちゃんとした図鑑を通して,また有識者(各地の林業試験場,博物館などの専門家のいるところ)のもとで学習するのが最善の道です.広くきのこに関して,食べられるものばかりではなく,毒のものや,毒でもなく食用にも適さないものまで広く知識を深めることが大切です.そうすれば,毒きのこの見分け方はおのずとわかってきます.また,きのこの学習は,生で覚える必要があるので機会があればできるだけ各地の観察会に参加するとよいでしょう.
  2 野生きのこを食料にするときの原則
 ● 食べ過ぎに注意する.
 ● できるだけ生で食べないようにする.
 ● 古くなったものは食べないようにする.

きのこ自体は,あまり消化がよいものではありません.たべすぎると下痢をしたりします.また,きのこは生ものですので,古くなると食用に適さなくなります.これは店で買ってきたものもあまり古いものは食用にできなくなるのと一緒です.例えばマツタケで中毒した例があります(マツタケの中毒

 3 体調や個人差もある
ハタケシメジで中毒した人もいます.その日の体調,個人の体質も関係があるようです.
 4 幻覚きのこでおもしろ半分にあそばない
幻覚きのこは毒きのこです.おもしろ半分に手をだすと命取りになります.また,きのこは,漢方薬のように,季節や産地によって成分の差が激しいことも知られています.また人によって感受性に個人差があります.注意しなければなりません.

   ◆採集方法◆
  1 どんな林に,どんな季節に,どんなきのこが出るか学習する
きのこは種毎に生活方法が異なる(外生菌根菌,落葉,木材を分解する腐生菌).そうすることによってより自然に親しくなり,最終的にはきのこ狩り名人になります.

 2 野外を無事に・快適に歩ける服装で
林の中に入ることのできる服と靴,また蚊などの虫よけ対策が必要な場合もあります.
  3 きのこは蒸れないように
カゴや大きな紙袋に入れて,壊れないよう紙(新聞紙など)でつつんで採集します.絶対ビニール袋などに入れてはいけません.採集して持って帰るときに,また採っている最中に,きのこ自体が蒸れ,また壊れます.別種のものを一緒にいれると互いがまじりあい,うまく選別することができません.食用として採る場合は,土が入らないよう綺麗に採るとあとの料理が楽です.綺麗なものはあらう必要がないほどだと思います.
  4 毒きのこを触って中毒するか?
消化器系にはいらないと中毒しません.ですから猛毒のきのこでも,さわっただけなら大丈夫.
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