Q and A
Q:参考書?
参考書として以下の本をあげておきます.
 
1の本の巻末には一般的な毒きのこの知識があげてあります.
 2の本には,毒きのこをたべたときの具体例があげてあります.意外なきのこも毒成分を持つことがわかります.
 ちょっと専門的になりますが,それぞれのきのこの毒がどのような成分によるものか,ということを調べるためには3と4の本が詳しいようです.
 そして,ヨーロッパを中心に,世界の毒きのこのことが解説してあるのが5の本です.


1.今関六也・大谷吉雄・本郷次雄. 1988. 日本のきのこ. 山と渓谷社, 623 pp 東京.
2.小山昇平(1992)日本の毒キノコ150種.216頁.ほおずき書籍.
3.山下衛・古川久彦(1993)きのこ中毒.409頁.共立出版株式会社.
4.水野卓・川合正允(1992)キノコの化学・生化学.372頁.学会出版センター.
5.Bresinsky, A. and Besl, H. (1990) A colour atlas of poisonous fungi.295頁.Wolfe Publishing Ltd.

Q:昆虫や動物が毒きのこをたべて大丈夫ですか?
A:とても難しい質問です.「毒きのこの毒成分」でも詳しく述べましたが,きのこにも様々な毒があることが知られています.しかし,このような毒は人間に対しての毒作用です.その他の動物に対して,毒をもつかどうか,というのは,それぞれの動物によって感受性などが異なり,からだのつくり,代謝経路などが異なり,毒がその動物にとって毒として作用するかどうかは,動物によって異なってくると考えられます.
きのこが毒をもつかどうか,は上のような感受性が人間に比較的近いとされる,マウスなどによって試験されますが,マウスに毒性が認められたからといって,人間に本当に作用するかというのは,つきつめていうと,わからないのです.ですので人間により近い動物など,例えばサルやイヌにとっては,毒きのこはおそらく,毒きのことして作用する可能性は高いと考えられますが,きのこを盛んに食べる昆虫などは,いったいどうなのか,というのはよくわかっていないのです.また,きのこの毒成分も,特定されていない物質が多く,経験的に,人間が食べた結果,毒きのこという知識がもたらされるだけなのです.それから毒成分の研究が始まるわけです.

Q:庭に生えたきのこが毒だとしたら,毒きのこがまき散らす胞子は人体に影響ありませんか.また庭の植物は大丈夫ですか?
A:大丈夫
胞子が飛んで直接の害は考えにくいと思います.空気中には,日常信じられないくらいのカビの胞子が漂っています.その量からすれば,秋のひとときにちょっと顔を出すきのこの胞子は量的に問題になりません.吸い込んだりしても,空気中にただよう位の量であれば問題ないでしょう.
植木や花に悪影響を及ぼすことをご心配のようですが,野外の土壌の中にも目にふれない多量の菌類が生息しています.そのなかで生きていく術を植物は身につけており,植物の特定の病原菌以外は心配することは無いとおもわれます.

Q:毒きのこに,味は苦い,という表現がありますが,食べて大丈夫なのでしょうか.
A:毒きのこでも消化管内にはいらなければ中毒はしません.
少しかじって,味を確かめて,唾液といっしょに全部吐き出せば猛毒のきのこでも問題ありません.ニガクリタケはかじってみて,苦いことを確認して同定をします.全部吐き出せば問題ありません.
 
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