No.100(海ー15) 中央博資料百選  

  日本産アマノリ属絶滅危惧種  

 海藻のアマノリ属(紅藻類)は乾海苔の原料となる生物で、現在、日本産に17種が報告されています。アマノリ属のうち乾海苔の代名詞として名高いアサクサノリは、内湾の河口付近の干潟に生育しますが、埋め立てなどの開発によって生育地が消失して減少し、現在では環境省により絶滅危惧I類と判断される絶滅危惧種となっています。その他、アマノリ属には絶滅危惧I類に2種(カイガラアマノリ、マルバアサクサノリ)、準絶滅危惧に1種(ソメワケアマノリ)が認められます。海の博物館には、全国各地から採集されたこれら絶滅危惧アマノリの標本が約150点保管されています。また、採集された個体から作出した培養株の保存培養も行っています。

アサクサノリ標本(CMNH-BA-1359)
アサクサノリ標本(CMNH-BA-1359)
2000年1月に熊本県河浦で採集された葉状体

カイガラアマノリ標本(CMNH-BA-4616)
カイガラアマノリ標本(CMNH-BA-4616)
2002年2月に千葉県浦安市で採集された葉状体

マルバアサクサノリ標本(CMNH-BA-5171)
マルバアサクサノリ標本(CMNH-BA-5171)
1954年3月に宮城県松島湾で採集された葉状体

ソメワケアマノリ標本(CMNH-BA-1390)
ソメワケアマノリ標本(CMNH-BA-1390)
2000年2月に三重県伊勢市で採集された葉状体

保存培養されているアサクサノリの糸状体培養株
保存培養されているアサクサノリの糸状体培養株

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