フィールドノート No.2115

 2022/05/23(月)

 マメヅタラン

 房総丘陵にて。樹幹に着生したマメヅタランが開花していた(写真1)。マメヅタランについては2009年にも書いた。

  • 写真1

 マメヅタランの葉は円形に近い楕円形で、長さは1センチ内外(写真2)。シダ植物のマメヅタに似ているところからマメヅタランの名がある。

  • 写真2

 こちらがマメヅタ(写真3)。葉の裏に褐色の胞子嚢をつけた細長い胞子葉があるのでシダ植物とわかるが、丸い葉だけだとマメヅタランとそっくりである。

  • 写真3 清澄山にて 2019/12/08撮影

 マメヅタランの花は長さ1センチほど(写真4)。3枚のがく片はクリーム色だが、間近で見ると半透明。赤紫色の模様のある唇弁とそれに対向する雄しべが見える。昨日のムギランと同属だが、花の大きさは10倍ほどもある。とはいえマメヅタランの花もとても小さい。

  • 写真4

 マメヅタランは国内では東北地方南部から沖縄に分布し、千葉県を含む各地で絶滅危惧種に指定されている。また、国外では台湾、中国、朝鮮半島南部に分布する。

  • マメヅタラン Bulbophyllum drymoglossum(ラン科)
  • マメヅタ Lemmaphyllum microphyllum(ウラボシ科)
  • ムギラン Bulbophyllum inconspicuum(ラン科)

(尾崎煙雄)