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「山岳空中散歩-日本アルプス・中部山岳地域-」
日本アルプスと氷河地形研究関連の山岳図
 以下の作品は、1970年代に山岳雑誌「岳人」(東京新聞出版局)に連載された「氷の山・火の山シリーズ」のために描かれたもので、このシリーズはその後「鳥瞰図譜=日本アルプス」(講談社)として出版されました。
 いずれも臨場感のある絵画として、また山岳地形や氷河地形の客観的な記録として、高く評価されています。これらの作品を描くのに最も重要な役目を果たしたのは、二枚の空中写真を実体視(立体的に見ること)して観察することです。この技術を使うと、一枚の空中写真や飛行機からの肉眼による観察では得られない多くの情報を得ることができます。

 「鳥瞰図譜=日本アルプス」まえがきより ・・・・『地形の観察は、少し離れたところから大局的に全体を見ることと、その地形を作る大事な場所を、表層地質や微細な地表面の様子に至るまで詳しく見ることの両面が必要である・・・略・・・この本に示す図の多くは、筆者が飛行機からステレオになるように撮影した写真をもとにしたもので、地上では得られない自由なアングルを持っている。』 

<展示の見え>
1枚の鳥瞰図につき、印刷図、ペン画の原図、空中写真、印刷図の拡大図のセットにして展示しました。
 手前に印刷図、原図(立ててある)、壁面に拡大図が展示してあります。 
<解説シートと解説ファイル>
拡大した鳥瞰図の上で、氷河地形がどこにどんなふうにあるか図示した解説シート図をつけました。見比べてみると、いろいろ発見があって、面白いです。
また、
鳥瞰図がどんな文脈の上で描かれているかを知るため、該当する「鳥瞰図譜」のモノクロコピーを解説ファイルとして展示しました。手にとってごらんください。
北アルプス全景
山岳空中散歩

-日本アルプス・中部山岳地域-

 地形を見る確かな眼と、
空中写真を実体視判読する技術に基づいて描かれた、
日本アルプスや中部山岳地域の地形鳥瞰図は、
「氷の山・火の山シリーズ」として山岳雑誌「岳人」に連載され、
その後「鳥瞰図譜-日本アルプス」という
1冊の本にまとめられました。

 ここでは、今や入手困難とされる
鳥瞰図譜に掲載された作品を中心に、
丹念に描かれた原画や作品のもとになった斜め空中写真、
そして壁面いっぱいに拡大した図などを、
ダイナミックに展示していきます。

 高山や氷河地形の研究をしている人はもちろん、山登りを楽しむ人、山の風景画を見たり、描いたりする人、必見です。

空からしか見えない、絶好のアングルの地形景観を、
多くの方々と共有できればと思います。

 作品は、地理的な分布に沿って、
北アルプス(飛騨山脈)、
中央アルプス(木曽山脈)、
南アルプス(赤石山脈)の山々、
中部山岳の富士山、八ヶ岳
の順で展示しています。
094  中部山岳地形模型(50万分の1)



千葉県立中央博物館蔵
企画設計 八木令子
製作 玉川恭子

093 縮尺50万分の1地形図パネルは省略しました。
101 (背景拡大パネル) 北アルプス鳥瞰全図(北部)

出典 岳人425号(1982)     寸法 790×483mm
100 (背景拡大パネル) 北アルプス鳥瞰全図(南部)

出典 岳人425号(1982)     寸法 692×475mm
097  日本の氷河地形分布図(北アルプス) (1)

 出典 新日本山岳誌(2004) 山と氷河の図譜(2007)
098  日本の氷河地形分布図(北アルプス) (2)

 出典 新日本山岳誌(2004) 山と氷河の図譜(2007)
白馬連峰付近の鳥瞰
104 (103印刷図) 白馬連峰付近

出典 岳人323号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 364×257mm
103 (104ペン画) 白馬連峰付近

出典 岳人323号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 364×259mm
105  白馬連峰付近 (空中写真)

    寸法 258×202mm
106 (107ペン画) 白馬連峰東面 氷河想像図

出典 岳人323号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 313×227mm
立山・後立山連峰の鳥瞰
108 (107印刷図) 立山・後立山連峰

出典 岳人323号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 364×257mm
107 (108ペン画) 立山・後立山連峰

出典 岳人323号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)    寸法 365×258mm
109 (110ペン画) 立山、後立山 氷河想像図

出典 岳人323号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 312×225mm
薬師、黒岳、餓鬼の東面鳥瞰
112 (111印刷図) 薬師、黒岳、餓鬼の東面 (印刷図)

出典 岳人324号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 364×257mm

110 (112の背景拡大パネル) 薬師、黒岳、餓鬼の東面・・・・・・112と同様につき省略
111 (112ペン画) 薬師、黒岳、餓鬼の東面

出典 岳人324号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 365×256mm
113 (ペン画) 薬師、黒岳、餓鬼氷河想像図 

出典 岳人324号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 302×225mm
114 (解説シート) 薬師、黒岳、餓鬼の東面 氷河分布(シート)

解説シート作図 吉村光敏
槍、穂高、常念の東面鳥瞰
115 (117の背景拡大パネル) 槍、穂高、常念の東面

出典 岳人324号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 1520×900mm
117 (116印刷図) 槍、穂高、常念の東面

出典 岳人324号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 364×258mm
116 (117ペン画) 槍、穂高、常念の東面

出典 岳人324号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 365×257mm
118 (119ペン画) 槍、穂高、常念氷河想像図

出典 岳人324号(1974) 鳥瞰図譜=日本アルプス(1979)  寸法 302×224mm
119 (解説シート) 槍、穂高、常念の東面 氷河分布

解説シート作図 吉村光敏
102 (ペン画)  槍・穂高鳥瞰図

出典 地理(1982年4月号)  山と氷河の図譜(2007)  寸法 205×298mm
099 (スケッチ画) 槍ヶ岳山荘から見た槍ヶ岳

出典 山を歩き山を描く(1986) 山と氷河の図譜(2007)  寸法 228×155mm
120 (解説ファイル) 北アルプス東面 

北アルプス東面

ご自由にご覧下さい

 展示している鳥瞰図は、文章と一緒に読むことで理解が深まります。
 展示ケースの中の文章は、字が小さくて読めないと思いますので、該当部分をコピーしました。文章と合わせて、鳥瞰図をご鑑賞下さい。

 「鳥瞰図譜-日本アルプス-」(講談社1979)より




 ファイルの中身は → こちら です。
123 梓川渓谷鳥瞰図

 2005年春、松本市と合併が決まった信州安曇村の教育委員会は、村時代の最後の仕事として、村の子供たちに自分の村の自然のすばらしさを正しく理解してもらうため、楽しくわかりやすい解説書を作ろうと考えました。安曇資料館の山本信雄氏と、寒冷地形談話会の清水長正氏が中心になって進め、それぞれの分野の研究者の協力を得て、2006年、松本市安曇資料館発行の「梓川渓谷の地形誌」が完成しました。この図は、その本のために作った鳥瞰図です。
121 (122ペン画) 梓川渓谷鳥瞰図(原画)

出典 梓川渓谷の地形誌(2006) 山と氷河の図譜(2007)  寸法 558×430mm
122 梓川渓谷鳥瞰図 地名入り ・・・・・121と同様につき省略 

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