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いろいろな視点の鳥瞰図
地貌図の世界



日本地貌図(ちぼうず)

 1994年夏、岩波書店より「日本の自然シリーズ地域編」の各巻に、その地域の総合的な景観図を作ってもらいたいとの依頼がありました。コンピュータなしで作るには、既成の陰影図(国土地理院70万分の1の図)を利用した平面図の方がいいと考え、ペン画での線の太さによる陰影表現を試みました。
 陰影図の上に、薄いケント紙をのせて、海岸線と水系を20万分の1地勢図を中心にして見取りで移写し、次に5万分の1地形図や垂直写真も利用して、稜線、崖、斜面、段丘、台地、扇状地、湿地、運河、用水路などの現況を描示しました。
 ここに展示するのは、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州の各地方ごとの地貌図と、日本全体の集成図です。

 「日本の自然・地域編」(1994〜)の各巻に掲載
地貌図の見方

 「地貌図」は、宇宙の彼方から眺めたような、日本列島の姿かたちを現したものです。地名や説明もなければ、県境などの境界線も示されておらず、一見人工衛星から映した画像に似ています。
 しかしここに示されているのは、山や河川、平野や台地、丘陵など、地表面の自然の姿かたちだけで、町や村、工場や道路、鉄道などは描かれていません。ただし人工的に改変された港、埋立地、ダム湖などは、見えるがままに表示されています。
 地貌図は、日本列島の各部分がどのような地形でできているかを示すだけでなく、その地形を通して、地域による地盤の隆起、沈降の傾向や、基盤岩石の地質構造などを表しています。また平野部の地形は、河川の洪水の歴史も示しています。
 地質学、地形学、水文学、土木工学、歴史学など、いろいろな分野と関連させながら、この地貌図を存分に楽しんでもらいたいと思います。  
     五百澤智也(2007)「山と氷河の図譜」より
309 日本地貌図(集成図)

原画スキャン:目代邦康 編集・結合:吉村光敏・小田島高之 印刷:小田島高之

列島の集成図をこの展示のために新たに編集して展示しました。
原図からだいぶ縮小しましたが、それでも、縦が90cm、横が240cmぐらいあり、大きいです。
310 日本地貌図・部分図:九州(原図を拡大印刷)
311 日本地貌図・部分図:中国四国(原図を拡大印刷)
312 日本地貌図・部分図:近畿(原図を拡大印刷)
313 日本地貌図・部分図:中部(原図を拡大印刷)
314 日本地貌図・部分図:関東(原図を拡大印刷)
315 日本地貌図・部分図:東北(原図を拡大印刷)
316 日本地貌図・部分図:北海道(原図を拡大印刷)

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