設計者妻木はアメリカで建築学を修め，ドイツ派遣された経験を持つ官僚建築家として名を馳せ，バロック的手法を得意とした。また武田もイギリスを中心として，ヨーロッパにおいて多大な刺激を受け，帰国後最新のアールヌーボーやゼツッションのデザインを建築に取り入れたことで知られる。2人が手掛けたこの建築は和風でありながら，どこかヨーロッパ的なものを感じさせる。中央の玄関は唐破風等で飾られる，左右に伸びる建物の中心軸を際立たせることによって，シンメトリーを強調する雄大な構成を見せる。［江口］

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