9 千葉教会教会堂

[県指定有形文化財]


所在地 千葉市
竣工年 M28
所有者 (宗)日本キリスト教団千葉教会
設計者 ゼール
施工者 近江(大工)
構造 木1
外壁 下見板張り
屋根形状・葺材 切妻造,瓦葺
建築規模 149.9m2

明治12年に伝道を開始した千葉教会は,その7年後講義所を設けたが,そこでは何かと不便が多く,また講義所の名をはずして教会を組織したいという会員の願いもあり,明治28年に本格的洋風の教会堂の献堂に至った。当時活躍していたドイツ人建築家リヒアルトゼールが設計した,東京三田の美似教会会堂の設計図を貰い受け,設計者自身の監督で完成させた。工事を請負ったのは東京の大工近江某という。  

正面向かって右手に高さ約14メートルのゴシック風尖塔が付けられていたが,大正6年の台風によって倒壊した。創建当時の写真を見ると,この尖塔が大変魅力的な建築の要素となっており,失われたのが惜しまれる。                      

しかし内部は質の高い空間を維持しておりこの教会の重要性を物語っている。折上げられた板張りの天井をハンマービームが支え,更に7メートルを超えるスパンによって生じるスラストに対し,タイバーで補強している。開口部はやはりゴシック風ポインテッドアーチであり,四葉飾りのトレーサリーが付いた本格的なものである。また,細部のさまざまな装飾的要素が魅力を高めている。[江口]

                        


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