陸から海へ

泳ぐために
クジラの各部の名称
 海の中を自在に泳ぎながら生活するためには、水の抵抗を少なくする必要があります。このため、クジラ類では、脚や毛、鼻、耳は、形が変化したり、なくなったりして、陸上のほ乳類とはずいぶん違った形をしています。

鼻で息をする

 クジラは、泳ぎながら水面で呼吸をするために、鼻が頭の上にあります。これは、長い歴史の中でしだいに鼻先から頭の上へと移動したもので、テレスコーピングといいます。
「鼻で息をする」展示コーナー

ヒレになった前脚(まえあし)

 クジラ類は水の中で暮らすようになり、脚で体を支える必要がなくなりました。その結果、クジラの前脚は泳ぐために役立つ胸ビレへと変わりました。骨をみると、クジラの胸ビレの中にも、私たちの手と同じように5本の指があることがわかります。
人の手のエックス線写真
人の手のエックス線写真
イチョウハクジラの胸ビレ
イチョウハクジラの胸ビレ

なくなった後脚(うしろあし)「なくなった後脚」展示コーナー

 クジラ類の後脚は、体を支える必要がない水中では、長い年月の間にしだいに短くなっていき、やがてなくなりました。しかし、そのなごりは、今もクジラ類の体の中にみることができます。
 クジラには、脚を使わなくなったために小さくなった骨盤が、腰骨という小さな骨として残っていると考えられています。また、初期の胎児には後脚があることがわかっています。

尾は尾ビレに

 クジラ類の尾ビレは、尾の皮膚が変化したものです。水中での尾ビレは、泳いだり、体温を調節するために使われています。
「尾は尾ビレに」展示コーナー


[表紙へ戻る] [過去のマリンサイエンスギャラリー] [クジラ] [前のページへ戻る] [ページトップ]