《巻煙草箱》(まきたばこばこ)

1929(昭和4)10.4×19.2×10.0cm 

津田は、1923年(大正12)から1925年(大正14)までヨーロッパに留学した。全体を覆い尽くすギリシャ幾何文様や蓋の縁取りなど、ヨーロッパで触れたアール・デコの影響が現れている。蓋は非常に重くあまり実用的とは言えないが、それまでの工芸に新しい思潮を持ち込んだ意欲的な作品である。1929年(昭和4)の帝国工芸会主催工芸展に出品された。