「日本の地衣類(ウェブ図鑑)」のサブコンテンツ
 
石灰岩生地衣類(せっかいがんせい ちいるい)

岩峰が林立する奇観・・・水墨画の景色となる桂林(広西チワン族自治州)はよく知られています.世界自然遺産「中国南方カルスト」の景勝地の一つ,雲南省の石林でも同様に岩峰が林立しています.いずれも石灰岩が作り出す特有の景色なのです.

 桂林とは様子は違いますが,日本にも石灰岩の山はあります.そんな石灰岩は,その見た目が独特なだけでなく,そこに暮らす生き物も特殊な種類が多く,地衣類もその例外ではありません.

海岸
 

石灰岩地の植物と地衣類

石灰岩が露出する場所,石灰岩地には,特殊な植物が生育することがよく知られています.日本には石灰岩を産する場所が限られているため,そのような植物には珍しい種類が多いことになります.

 では,地衣類はどうでしょう?体の表面から水分を直接吸収してしまう地衣類では,石灰の影響を受け易いため,非石灰岩上とは全く異なる種類が見られます.更に,石灰岩の周りの土の上であったり,石灰岩や周りに生育する蘚苔類マットの上にも,特殊な種類が生育しています.

 このような「石灰岩生地衣類」を,本コンテンツでは紹介していきます.

原田
石灰岩特有のラン藻地衣,Paulia japonica ヤブレガサゴケ
  石灰岩生地衣類は,千葉県立中央博物館(当館)の職員,原田浩が学生の頃から興味を持ち標本を収集していました.やがて当館の職員となってから研究成果を論文として発表し続け,そのデータを元に2021年からこのコンテンツの制作を始め,2023年に公開に至りました.
原田
 
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