水郷の原風景

稲とともに

写真49 苗取り (1)

昭和30年(1955)頃 撮影場所:千葉県香取市三島

[写真] 稲取り

苗を取って束ね、田植えの準備をする。今と違い、かつては5葉前後の葉が出た成苗を植えていたので、長く見える。また、シマの田は屋敷周りのものほど、高さがあって水はけがよく、土質も上々だったが、遠地であればあるほど悪かった。そこで、苗代田はおのずと集落周辺に作られた。苗床を短冊状に盛り上げ、そこへ播種するようになったのは大正初年頃からで、早生種の農林1号の普及とともに広まっていったとされる。

撮影者:窪木栄佑氏