水塚(みづか)


 水塚とは、一般に洪水の際に避難するため、屋敷内にあらかじめ築き上げられた土盛りや、その上に設けられた建物を総称します。
  水塚と同様の機能を持つ建造物は、木曽三川流域や淀川流域、信濃川流域などにも見られ、水屋(みずや)、水倉(みずくら)などの呼び方があります。日本の場合、大河川の中・下流域においてはほとんど水防の目的で設置されています。
  いったん洪水が起こると、人々は長期にわたって水塚に避難しなければならないことが多く、そのため建物内には避難生活に必要な日用の生活用具や非常用の食糧などを収納していました。
  関宿周辺の水塚の場合、土盛りは3〜4m程度のものが多く、また建物は通常2階建てで、1階には米俵や味噌樽などの食糧、2階には布団、ちゃぶ台、衣類を入れた長持ちや行李(こうり)などの生活用具が置かれ、時には母屋の仏壇なども滑車を使って引き上げる工夫が施されました。

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