利根川の築堤工事


築堤土羽打ち作業
(建設省利根川上流工事事務所)


  明治に入り、我が国でも蒸気による土木工作機械を用いられるようになりました。河川改修においても次第に掘削や運搬のために機械が導入されるようになりました。それでもなお多くの場合、相変わらず人手による作業が必要とされ、特に築堤工事の際には土運搬や地固めに現場周辺の農家などから多くの人員が動員されました。
  利根川改修工事では当初、土運搬の方法として土手に軌道を敷き、人力で木製の土運搬車を走らせましたが、次第に運転距離が延びてきたので大正4年以降は20t機関車を用いるようになりました。
  堤防の築造には土羽打ち棒を用い、突き固めには地突石が使われました。また、杭打ちには大型のやぐらを組み、人力で縄を引いて作業を行いました。このような作業風景は昭和に入ってからも見られ、利根川流域各地に土羽(どは)打ち唄など当時の作業唄が残っています。 

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