3つの生育形=大まかな形の違いによる分け方です

樹状(じゅじょう)= だいたい円柱状で,樹木のよう立体的に枝分かれするものもあります.
            ハナゴケ属サルオガセ属キゴケ属などが代表です.
葉状(ようじょう)= 葉っぱのように平べったく,小さいものは,鱗片状といいます.
            ウメノキゴケ科ムカデゴケ科などが代表です.
痂状(かじょう)= 木肌や岩の表面にペンキを塗ったようにピッタリと張り付きます.「固着」と呼ぶこともあります.
           チャシブゴケ属モジゴケ属アナイボゴケ属などじつに様々です.

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樹状地衣(ミヤマハナゴケ)

葉状地衣(マツゲゴケ)
痂状地衣(クロアカゴケ)

子器(しき)のいろいろ

地衣類の共生菌は,基本的には胞子で殖えます(ほとんどは子嚢菌類なので,子嚢胞子です).
胞子は,子器と呼ばれる場所で作られます.
子器の形は科などによって大きく違いますから,分類の良い特徴になります.次のようなタイプがあります.

裸子器(らしき)= 子嚢胞子が作られる部分(子嚢層)が裸出して(むき出しになって)いて,子器はだいたい皿
           あるいは円盤状をしています.真ん中が飛び出して,おまんじゅうのような形をしているもの
           も多いです.
           ウメノキゴケ科ハナゴケ属など大形の多くの地衣類の子器はこのタイプです.

被子器(ひしき)= 子嚢層が他の組織に囲まれていて,壺状になっています.普通は先端にとても小さな孔が空いて
           いて,そこから胞子が出ていきます.
           アナイボゴケ属サネゴケ属など様々な仲間がこの子器を持ちますが目立たない種類が多いです.

リレラ= 体の表面を線状に細長く伸びます.
      モジゴケ科キゴウゴケ属クチナワゴケ属などがこのタイプの子器を付けます.

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裸子器(シロイソダイダイゴケ)
裸子器(ハマスミイボゴケ)
裸子器(コアカミゴケ)
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被子器(ヤマトアナイボゴケ)
被子器(アナイボゴケの仲間)
リレラ(モジゴケの仲間)
 

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