デジタルミュージアム・特集『日本博覧図』

後編-53 天台宗 出谷山長秀寺境内全図てんだいしゅう しゅっこくさんちょうしゅうじけいだいぜんず

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旧町村名現市町村名絵師彫師寸法
夷隅郡豊濱村部原勝浦市部原廣方横28.7×縦18.4cm
勝浦市東部の部原にある天台宗の古刹。図中右下の略縁起によれば、延暦年中(782〜806)最澄の開基、貞観二年(860)円仁により再建とある。寛文三年(1663)の火災で、一切の記録・什宝類を失って詳細は不詳。寛政八年(1796)に、檀徒が協力して現在地を開き堂宇を建立した。図には、現在の豊浜海水浴場にあたる砂浜が左に見え、太平洋上に黒煙を吐く蒸気船などが見える。この頃の寺域は750坪余で、名門江澤家(博覧図に干鰯・搾粕「江澤潤一郎邸宅之図」がある)をはじめ、名主・網元の菩提寺として栄えていた。

2005年1月 歴史学研究科