デジタルミュージアム・特集『日本博覧図』

初編-198 式内県社 飽富神社境内全図しきないけんしゃ あきとみじんじゃけいだいぜんず

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旧町村名現市町村名絵師彫師寸法
望陀郡根形村飯富袖ヶ浦市飯富東涛舎主人巴凌豊章山横41.7×縦20.2cm
延喜式内社の一つで、今も図と同じ場所に社殿が建ち、境内の様子も図の雰囲気と変わらず古色蒼然としている。祭神が嫌忌するという言い伝えのごとく、境内には松の木が無い。石段・石鳥居・石畳・常夜灯・狛犬、そして「手洗水」と図中の配置は現状と同じである。元禄4年(1691)建立の権現造りの社殿が、「拝殿」「幣殿」「本社」と描き込まれている。また、社殿右横の「東照宮」の三面には、人物花鳥等の彫刻が施されている。社殿左横の「神官深河邸宅」等の建物は残っていない。なお社名は、古代の中央豪族飫富(おふ)氏にちなんだ「飫富神社」であったが文字の誤伝から、「飯富(いいとみ)神社」「飽富(あきとみ)神社」と代わっている。

2005年1月 歴史学研究科