製鋼
固くてもろい「銑鉄」を,強くしなやかな「鋼(はがね)」に変身させます。

銑鉄は炭素分を3〜5%も含んでいて,まだ固くてもろいものです。
銑鉄をスクラップなどといっしょに転炉に入れ,酸素を吹き込んで炭素などの不純物を燃やすと,強い鋼が誕生します。
日本では,JFEスチール(株)が独自に開発した「純酸素上底吹き転炉」や世界初の「溶融還元法」が威力を発揮するところです。

原料をそのまま使える溶融還元法を,世界で初めて実用化。

鉄鋼の原料を前処理なしでそのまま使えたら,こんなに効率的なことはありません。また,ステンレス鋼の製造では,あらゆる種類の主原料を使いこなせることが重要になります。そのため,第4製鋼工場では上底吹き転炉を導入し,世界で初めて溶融還元法を開発しました。
これまでは電気炉で溶解・還元しなければならなかったクロム鉱石が,直接使えるようになっています。もちろん,これまでの原料も使えますから,フレキシブルな選択ができます。
転炉は,鋼としての性質が決定されるところ。原料の微妙な配分が可能になったことで,さらに高品質・高機能な鋼鈑づくりを実現します。

連続鋳造
転炉でつくられた溶けた状態の鋼を冷やして厚い板状に固めます。

鋼の“湯”を連続的に鋳型に入れて冷やします。ここでJFEスチール(株)では,世界で初めて遠心分離の原理で介在物を除去し,高純度なステンレス鋼をつくることに成功しました。
冷えて固まった鋼は,鋳型の底からゆっくり引き出されてきて,長い帯になります。それを切断すると,ヨーカンのような形の半製品「スラブ」になります。

熱間圧延
スラブを圧延機で延ばし,様々なタイプの製品に仕上げていきます。

厚みが20cm以上もあるスラブを加熱し,圧延機にかけて伸ばし,厚みがわずか0.8mmから25mmまでの鋼鈑をつくります。ここでは,千葉地区で実現した世界初のイノベーション「エンドレス・ホットストリップ圧延技術」が活躍しています。

「エンドレス圧延」では,シートバー(スラブを粗圧延機で圧延した半製品)と呼ばれる30〜40mmの鉄の板を次々と接合して圧延することができます。このプロセスによって,安定した仕上げ圧延・省プロセス・まったく新しい商品の製造が実現できます。


加熱炉