千葉県立現代産業科学館 産業技術調査について

千葉県立現代産業科学館では,県内に所在する産業技術史・近代化遺産に関する資料の収集や、画像データ化を行い、館所有資料の充実を図ると共に,いわゆる「産業遺産」として貴重な資料を記録にとどめ、後世に伝えるための「産業技術調査」を実施しています。

1 具体的な対象物として,
 
更新等のため,撤去される(初期のもので既に撤去されたものも含む)
 
製造装置,プラント,生産ラインなど

 ※ 例
鉄鋼
製銑(高炉) 製鋼(転炉) 鋳造 圧延(熱間・冷間) 表面処理 等
石油
蒸留塔(常圧・減圧) 熱分解 接触分解 水素化精製 脱硫
エチレンタワー 反応塔 等
電力
発電所施設 給電司令室 送電鉄塔 変電所施設 等
 が挙げられます。

2 それらは,
 
写真,図面,仕様,生産実績,(映像)などとして記録・保存を図っていく他,
 
可能であるならば,実物の一部(装置銘板,中心技術部分等)
 も収集する
予定です。

3 調査成果は,
 (1)当館HPでの紹介
 (2)次年度以降の企画展示(写真等展示)  として、
 順次公開していく予定です。


「鉄のまちの記憶と記録」は、こうして実施した産業技術調査の成果を皆様にご覧いただくため、
千葉県が実施した「県立博物館デジタルミュージアム構築事業」の一環として作成したものです。


銑鉄を転炉に投入する

現在,臨海開発計画が進む蘇我地区は,かつて旧川崎製鉄(株)(現・JFEスチール)千葉製鉄所の機械設備が鉄をつくり出していた広大な土地です。
姿を変えつつあるこの地には,かつて技術の粋を集めた画期的な製鉄設備〜それらは「産業遺産」と呼ぶべきもの〜がありました。
私たち千葉県立現代産業科学館では,JFEスチール(株)東日本製鉄所千葉地区の多大な協力をいただき,貴重な「産業遺産」としての製鉄設備を,写真や図面で収集・保存する作業を進めてまいりました。

この程,同社の監修を得て,これらの資料の一部をこのサイトで公開することになりました。操業初期のアルバムや,今回の資料調査による写真を中心に,当製鉄所を紹介します。

千葉県の鉄鋼産業のはじまり

昭和28(1953)年6月13日,
一艘の大型船がカナダから鉄鉱石を積んで千葉港に入港しました。
高栄丸(10,139t)です。

その4日後,戦後初の銑鋼一貫生産工場となる
川崎製鉄(株)の第1
号高炉への記念すべき火入れ式が行われました。
それまで,醸造や製塩の他は農・漁業が主産業であった千葉県の東京湾岸は,
こうして重化学工業への第一歩を踏み出したのです。

そして,その先駆けとなったのが川崎製鉄(株)の千葉市進出であったといえるでしょう。


■川崎製鉄 千葉製鉄所一号高炉の建設について
■川崎製鉄(株)における熱間エンドレス圧延技術開発の歴史

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