水郷の原風景

稲とともに

写真62 モク採り

昭和30年(1955)頃 撮影場所:千葉県香取市佐原地区

[写真] モク採り

川藻のことをモクというが、モクは田畑の肥料とするのに好都合だった。モク採りは夏と冬の年2回行われ、おもに夏に採ったものは畑の肥料とし、冬に採ったものは田の元肥としたが、一方ではエンマの通りをよくするという意味もあったわけで、周囲の自然をうまく利用した生活の知恵がうかがえる。ちなみに、モクはいくら採ってもかまわず、流れのないところに生えたものほど、育ちがよかったという。